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Technology to the Future 第12回 僕たちはこれから、ロボットに「調和」を求めて生きてゆく

テクノロジー 森 旭彦 2016年06月10日

人とロボットの新しい関わり方をつくる、「Patin」


Patin concept promotion movie(Flower Robotics)
※詳細は画像をクリック

 フラワー・ロボティクスが新しく開発中の家庭用ロボット「Patin(パタン)」は、床をくるくると滑って移動する、台車型のロボットだ。自由自在な移動を可能にする「オムニホイール」を持つ駆動系と人工知能を搭載した本体、暮らしの中でさまざまな機能を発揮する「サービスユニット」(動画ではフロアライトの部分に相当)の2つの要素によって構成されている。サービスユニットの部分はサードパーティが自由に開発できるという、オープンソースの性格も持ち合わせている。


  • 松井氏:

    Patinはフランス語で「スケート」を意味します。一般的な家庭にある、家電や家具にロボットのスケート靴を履かせ、自律的に動かすことができたら面白いのではないか、という発想から生まれました。

 家にある既存のプロダクトをロボット化するという、一見奇抜な発想だ。しかし、たとえば明かりが欲しいところに自動的にやってきて灯火する「考えて移動するフロアライト」、音楽をムードに合わせてプレイする「察するミュージックプレイヤー」など、もともと生活の中で存在する機能をロボットによって拡張することができるため、自然と暮らしに調和したロボットになる。
 さらにサービスユニットのさまざまな機能が人に利用されることで、Patinに搭載された人工知能は、機能と人とのやりとりを学習し、そのデータをクラウドに蓄積してゆく。


  • 松井氏:

    Patinが学習し、ユーザーとのコミュニケーションをより充実したものにすることはもちろん、プライベートな生活空間における人との関わり方を蓄積したビッグデータが重要な価値を生むようになると考えています。

    働き方や社会の構造が変わっても、眠ったり、ものを考えたりする人の生理現象や性質は大きく変わらない。これは前提として理解しておく必要があります。人が生活する中で得られたデータを解析することで、新しいサービスユニットを生み出すことはもちろん、情報サービスや、教育や医療などの社会サービスと連携し、人の生活をより新しいものにしてゆくことが可能になる。それこそPatinが人との暮らしの中で生み出す、人とロボットの新しい関わり方の提案です。
    リアルな生活空間と情報空間を繋ぐ媒介としてロボットを存在させてみると、新しい世界が見えるのではないかと考えています。

 サービスユニットはPatinにさまざまな機能を与えると同時に、情報収集の方法も多彩にする。さらにクラウドに保存されたユーザーのデータは、ロボットを交換しても利用可能だ。そのデータは、ユーザーとロボットの関わり方の記憶として、将来にわたって利用することができる。


  • 松井氏:

    ロボットにとって、家庭の中は過酷な環境です。少し動かすだけでも段差があると難しかったり、サービスユニットが落っこちてしまったり。現実のハードルがすごく高いことを実感しながら、現在は2017年の発売を目指し、実際の公共空間での実験を繰り返しながらデータを蓄積し、改良を加えています。



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  • mamedonさん

    テクノロジーの進化により、人間にとって有益なロボットが開発・活用されるのは良いことだと思う反面、過度な依存とか軍事ロボットなどという、望まない副産物を生み出す可能性も懸念される。(軍事を民事に転用が通例か?)

    ロボットが人類に取って代わり、理想の地球がよみがえったなどと言う事態が訪れない事を祈ります。

    2016年06月15日 13:46

  • 2e0l6さん

    ロボットの未来形楽しいですね!

    2016年06月13日 10:31

コラムニスト・プロフィール

森 旭彦もり あきひこ

1982年京都生まれ。2009年よりフリーランスのライターとして活動。主にサイエンス、アート、ビジネスに関連したもの、その交差点にある世界を捉え表現することに興味があり、インタビュー、ライ ...

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