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「技」と「人」を育てる匠たち 第4回 一歩を踏み出す勇気から、信頼が生まれる ――「時計修理の達人」永濱 修氏

経営・戦略 WISDOM編集部 2008年06月09日

思い出のこもった時計を修理する

 私で4代目の永浜時計店の創業は1896年ですが、その起源は1887年に製造が始まった播陽時計にさかのぼります。廃藩置県で仕事を失った姫路藩の武士のための授産所で、柱時計(振り子時計)の製造技術が教えられ、その技術を基に、曾祖父たちが播磨時計製作会社を設立、時計をつくり始めたのです。

 父親の膝の上で時計の部品をいじっていたことを覚えているほど、時計修理は子供の頃から身近な世界でした。父親から時計店を継ぐようにいわれて、当時、日本で唯一の時計科があった大阪の生野工業高校に進学しました。卒業後の1971年には、最年少で一級時計修理技能士の資格を取得、時計店の店主として時計修理の仕事をしてきました。

 どんな方でも、皆さん、思い出のこもった時計を持っているのではないでしょうか。親の形見、就職記念、子どもの学校入学記念、本当に人それぞれですが、動かなくなっているものも多いようです。直してほしいと思っても、時計メーカーは修理を受け付けないところが多いのが現状です。大手時計店も販売中心でメンテナンスにまで手が回りません。確かに、費用対効果を考えれば、時計修理は割に合いません。1つ直すのに2日も3日も掛かりますし、利益だけを基準にしていたらとてもやっていくことができません。

 時計は機械式からクオーツ、電波時計と変わってきていますが、その原理はすべて同じです。時計師は、それを何十年も掛けて学んできているわけですから、今の時計しか直せないのでは、何の意味もありません。時計修理の目標は、製造された段階に限りなく近づけるところにあります。そのために、修理の仕方や使う薬品なども自分で細かく研究します。時計は極めて小さい歯車や部品で構成されているので、使うピンセットやねじ回しは毎日自分で掃除し、きちんと仕上げてから仕事に入りますし、今ではもう部品が製造されていない古い時計の場合は自分で旋盤を回して部品をつくります。



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