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未来へとつなぐ女性たち 第12回 小川エリカさん(後編)~誰もがチャレンジできる多様性のある社会に~

スキル・キャリア WISDOM編集部 2015年01月16日

小川 エリカ(おがわ えりか)氏
ギネスワールドレコーズジャパン株式会社
日本支社 代表取締役

幼少期を海外で過ごし、さまざまな職業を経験しながら天職と感じたギネスワールドレコーズの代表に就任した小川エリカさん。インタビュー後編は、ギネス世界記録が認定されるまでにはどのような過程があるのか、また、その社会的な意義はどこにあるのか。さらに、自身のキャリア観にまで話が及び、日本人の女性が自信を持って働いていくために必要なことなどについてお聞きました。

ギネス世界記録で地域の団結も高まる?

前編で日本支社の大きなテーマの1つに、「地域の活性化」があると伺いました。具体的にギネス世界記録が地域の活性化につながった事例を教えてください。

  • 小川:

    たとえば、石川県輪島市の棚田にLEDライトを装飾して、観光地化しようという取り組みがありました。その取り組みが、「太陽光発電LEDの最大ディスプレイ」として認定されました。本当に美しい景観で、ニュースになり、CNNでも紹介されました。この記録はすでに更新されていますが、結果、多くの来場者が集まったと聞いています。ほかには、これも最近更新されてしまいましたが、群馬県・老神温泉の「大蛇まつり」で「最も長い祭り用の蛇」が認定されたという事例もあります。担ぎ手が減っていたらしいのですが、挑戦するとなったときには、賛同した人が多く集まったそうです。いずれも、ギネス世界記録に挑戦したことにより、地域の方たちが自分たちの地域の誇りを自覚し、団結していった事例だと思います。

確かに、自分の地域の魅力が世界一に認定されると盛り上がりますね。

  • 小川:

    「世界一」という体験は、一生に何度もありませんよね。大人数で達成したり、大きなものを作ったりする記録は、「資金があればなんとかなる」と思われるかもしれません。しかし、実際には皆をやる気にさせて、まとめていかなければ達成はできない。つまり、「エネルギー」と「諦めない気持ち」が必要になるのです。そうした経緯で世界記録を達成できれば、地域の結びつきが強くなります。

世界記録に認定されたという結果が誇りになるということだけではなく、それを達成するプロセスが大切だということですね。

  • 小川:

    「こんなに一生懸命やったのだから、また挑戦しよう」「この楽しさを他の人にも広げよう」と思っていただけると嬉しいですね。地域に文化として根付いたり、拡散していったりする力が、ギネス世界記録にはあると思っています。

ほかにはどのような事業があるのでしょうか?

  • 小川:

    大きく分けて3つあります。1つ目は、「誰でも挑戦してください」という窓口です。2つ目は、ギネス世界記録に挑戦できる参加型イベントを開くこと。3つ目は、商用にギネス世界記録を利用し、プロモーションに使っていただくというパッケージです。イベントで一番わかりやすい事例は、東京ミッドタウンで開催されている「チャレンジフェア」という取り組みです。「スーパーボールすくい」など普段の遊びの延長線上で世界記録にチャレンジできるイベントになります。世界記録が認定されるには、「測定ができる」「証明ができる」「標準化ができる」「破ることができる」という4つの条件が必要になります。これに適合する形で、イベントの内容をクライアントさんと一緒に考えていきました。

商用利用も? 知られざるギネスワールドレコーズのお仕事

企業がプロモーションに使う事例はどのようなものがありますか?

  • 小川:

    ロート製薬さんの事例があります。ロート製薬さんは日本ではメジャーですが、世界的に認知度を上げていきたいという思いがあったそうです。そこで、企業の信頼度を向上させるため、「最新年度において最も売り上げの高いOTCアイケアブランド」というギネス世界記録を取得されました。厳しい審査を経て、商標ライセンシング契約したうえで告知活動をしていただくというのが、企業の商用利用パッケージになっています。もちろん、どの企業でも簡単に活用できるというわけではなく、1年、下手をすれば2~3年かけてしっかり調査が行われたうえでなければこの契約は認められません。後から「ほかのブランドのほうが売り上げが高かった」ということになれば、ギネス世界記録の信頼感が失墜してしまうからです。もちろん、後から更新されるぶんにはいいのですが。

なるほど。

  • 小川:

    ほかにも自然界の生き物の記録や宇宙の記録など、ありとあらゆる記録を集めています。社内に各カテゴリーの専門家がいて、外部の有識者の力を借りながら世界記録かどうかをリサーチしていくのです。さらに、『笑っていいとも!』のタモリさんが「生放送バラエティー番組単独司会最多記録」として認定されたように、こちらで「これは世界記録なのではないか」と目を光らせ、こちらからオファーさせていただく場合もあります。私たちのミッションに人間の偉業や功績を記録し、挑戦する精神を刺激していくということがあるからです。たとえば、オリンピックやワールドカップがあるときは、スポーツカテゴリーのチームが常に目を光らせているという状況が続きます。

前編で「一人ひとりの個性や多様性にスポットライトが当たる社会になってほしい」と語っていただきました。まさにギネスワールドレコーズは、個人の多様性にスポットライトを当てる事業を展開されているという印象があります。

  • 小川:

    そうですね。たとえば、「四足走行」の100m走でギネス記録に認定された、いとうけんいちさんはその代表例です。2014年11月に玉腰活未さんという高校生に破られてしまいましたが、毎年のように挑戦してくださっています。世の中になかった競技を自分で作り出し、なおかつ「測定ができる」「証明ができる」「標準化ができる」「破ることができる」という4つの条件もクリアしている。まさに、ギネス世界記録の多様性を象徴するような存在だと思います。いとうさんは、1年に約1秒ずつ記録を伸ばしていて、東京オリンピックの開催時には四足走行で普通の100メートル走に挑戦したいという野心を持っているそうですよ。


  
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