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偉人から学ぶ思考法 Part4 第12回 ビジョンには頑固だが、ディテールには柔軟だ ── ジェフ・ベゾス

マーケティング 桑原 晃弥 2016年03月04日

 「『朝令暮改』どころか、『朝令昼改』でもいいのではないか」はトヨタ式の基礎を築いた大野耐一氏の言葉である。「朝令暮改」は朝出した命令や指示を夕方にはもう変えるということで、よい意味には使われないが、変化の激しい時代には「一度決めたこと」への固執より、間違ったら夕方を待たずに昼にでもすぐに改める柔軟さが必要だと大野氏は考えていた。
 アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは綿密に考え、長期的な視点で行動する性格だが、よい意味で裏切られたことが何度かある。
 創業当初にいくつか立てた事業計画は、いずれも役に立たなかった。インターネット環境が大きく変化し、アマゾンが急成長し始めたからだ。「初めからうまくいくなんて期待はしていませんでした。消費者がオンラインで買うことに慣れるまでには、ひどく長い時間がかかるだろうと思っていました」と話しているように、赤字が続くと覚悟していたが、インターネット利用者の「新しいもの好き」のお陰で利益は上がった。
 サービス開始からわずか1ヶ月で、本の発送先はアメリカの50州と世界45ヵ国にまで広がるほどの成功をおさめている。にもかかわらず赤字が続くのはベゾスが「急速な拡大」を目指してサービスに投資をし続けたからである。
 ベゾスは綿密な長期予測も裏切る現実の急変に、どう対処したのだろうか。
 「ビジョンには頑固だが、ディテールには柔軟だ」というベゾスの言葉が答えだ。
 どれほどしっかりと将来を見通したところで、予期せぬ問題が起きたり、思いがけない市場が開けたりするものだ。
 ましてインターネットの世界は、まだまだ未開拓の新大陸だった。進めば進むほど、やるべきことが次から次へと現れる。そんな時、過去に立てた計画や予測に縛られて対処が遅れたり、判断を誤ったりするのはバカげている。ベゾスはそう柔軟に考えた。
 ただし、打ち立てたビジョンには忠実だった。それは次の3つだ。
  1.常に顧客を中心に考えること
  2.発明を続けること
  3.我慢強くあること
 ベゾスは、どんなビジネスをやるにしても常にこの3つは守ると断言している。成功のためには「頑固さ」の一方で、環境の変化を知覚して柔軟に対応する力が欠かせない。


執筆協力:桑原 晃弥
本記事は書籍『1分間ジェフ・ベゾス』(SBクリエイティブ刊)を再構成したものです。
参考文献:『大野耐一の現場経営』(大野耐一著、日本能率協会マネジメントセンター刊)、『アマゾン・ドット・コム』(ロバート・スペクター著、長谷川真実訳、日経BP社刊)


(2016年3月4日公開)

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コラムニスト・プロフィール

桑原 晃弥くわばら てるや

1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者を経てフリージャーナリストとして独立。トヨタからアップル、グーグルまで、業界を問わず幅広い取材経験を持ち、企業風 ...

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