1. ホーム
  2. マーケティング
  3. 入門&実践コラム
  4. 本質を見抜き経営成果に結びつける会計思考力
  5. 第6回

本質を見抜き経営成果に結びつける会計思考力 第6回 会計思考力をいかに活用するか?事業計画を作成して実行する!

マーケティング 松尾 泰 2011年03月07日

 今回のコラムでは、事業計画作成・実行上の注意点をお伝えすべくまとめてみました。話をわかりやすくするため、まずは一つ演習問題を考えていただきたいと思います。

 下記表のとおり、(株)ジェイティービー(以下「JTB」)、近畿日本ツーリスト(株)(以下「KNT」)の売上高営業利益率(以下営業利益率)を見ると、本業で赤字になっていることがわかります。

 この厳しい財務状況を打破しようと、現在、JTB、KNTは、インターネット販売に力を入れようとしています。そこで問題です。高級ホテル、高級旅館のインターネット販売に特化している(株)一休(以下「一休」)の営業利益率はどのようであると思いますか?インターネット販売のビジネスモデルの特徴を考え、営業利益率を予測してみてください。

一休の営業利益率

 それでは、インターネット販売の一休の営業利益率について、皆さんの予測が合っているかどうかを順に確認していきましょう。

 まずJTBやKNTが主に行っている店舗販売という手法と、インターネット販売という手法の特徴の違いを考えてみます。

 店舗販売では、地域ごとに販売店を設けているため、店舗ごとに賃借料が必要です。また店舗を構えることにより、事務員の人件費が発生します。そのほかにも営業担当者や添乗員の人件費などが必要です。

 それに対してインターネット販売は、インターネット上で取引が可能で、それぞれの地域に販売店を設ける必要がないため賃借料が発生しません。また販売店を持たず本部で集中管理することで、店舗販売に比べると事務員の人件費を大幅に抑えることができます。

 こうしたインターネット販売の特徴を考えると、一休は費用が抑えられて利益が十分に出ているのではないかと予測できます。

 では、実際の一休の営業利益率(平成21年4月1日~平成22年3月31日)を発表します。

 営業利益率:45.9%

 JTB、KNTが赤字であるのと対照的に、一休は営業利益率が45.9%と非常に高く、大幅な黒字となっています。

 JTBもKNTも「今後本格的にインターネット販売を行っていく」という方針を出していることがニュース等で伝えられています。両社がうまくインターネット販売ビジネスにシフトできれば、一休のような高い利益率を確保できる可能性があります。ただその実現には、今まで販売店で働いていた人をどうするか、先行しているインターネット販売会社とどのように戦っていくかなど、課題がたくさんあるでしょう。

事業計画を作成するということ

 さて、ここからが本題です。なぜこのような演習問題を出したと思われますか?実はこれを解くプロセスで必要な考え方が、そのまま事業計画を作成するために必要な考え方だからです。将来どのような戦略をとるかによって会社の決算書は変化します。その決算書の変化が予測できなければ、真に機能する事業計画の作成は難しいのです。

 第1回のコラムで生産性の話をしましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?


 生産性の式はこのようになっていましたね。事業計画を作成するためには、この式が頭に入っていなければなりません。インプットを費用(売上原価、販売費及び一般管理費)、アウトプットを売上高として考えていきます。


 上図のように図解すると、「生産性を向上させるということは営業利益率を向上させること」と言い換えることができます。

 また事業計画を作成するためには、事業を将来(3年後、5年後)どのような姿にしたいかを考える必要があります。


 生産性は、現状より3年後、5年後には高まっている必要があります。そこで、これから生産性を高めるための目標のもち方(以下「生産性目標」)について、パターンを5つご説明します。



このコンテンツをご利用いただくには、NEC ID登録が必要です。

ログイン

NEC ID登録

NEC ID(無料)にご登録いただくと、プレゼント応募やセミナー申込みなどの特典サービスがご利用いただけます。この機会にぜひ、NEC IDにご登録ください!

wisdomとは?

この記事の評価
現在の総合評価(4人の評価)
4.0
あなたの評価
決定
  • すべての機能をご利用いただくには、WISDOM会員登録が必要です。
この記事に対するコメント
  • すべての機能をご利用いただくには、WISDOM会員登録が必要です。

同意して送信する

コラムニスト・プロフィール

松尾 泰まつお ひろし

明治学院大学経済学部卒、中央大学専門職大学院国際会計研究科修了、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科MOTコース修了。 金融機関、コンサルティング会社を経て産業能率大学に入職。 現 ...

プロフィール詳細



バックナンバー一覧を見る


Copyright ©NEC Corporation 1994-2017. All rights reserved.