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ヒットを支えるプロフェッショナルの哲学 第11回 腕時計の一流ブランドが体現する「革新」と「伝統」の融合──グランドセイコー

マーケティング WISDOM編集部 2012年09月18日

デフレ下で売れ続ける高級腕時計

 「2011年、これまでで最高の販売額を達成」──。今年のはじめ、そんなニュースが数々のメディアで報じられた。最も安い商品で18万9000円、最も高いものでは315万円もする「最高級の国産腕時計」グランドセイコーが売れているというニュースである。2012年の販売は、昨年の実績をさらに上回ると見られている。


 単に時刻を確認するだけなら携帯電話で事足りる。アクセサリーとして腕時計を身に付けるのであれば、せいぜい数万円の商品で十分だろう。安さこそが正義であるという風潮が広まるこの長期デフレ下の日本にあって、数十万円から数百万円もする高級腕時計が売れ続けているのはなぜなのだろうか。


 この問いは、こう言い換えることができるだろう。現代の日本において、価格競争に巻き込まれずに商品をヒットさせることは果たして可能なのか、可能であるならその方法とはどのようなものか、と。


 グランドセイコーの誕生は、半世紀以上前の1960年に遡る。現在、このブランドの商品開発を担当しているセイコー第三企画部の土屋雄嗣氏は説明する。


 「当時、国産の腕時計は普及品が中心で、高級品はほとんどがスイス製でした。国産の高級品を世に問いたい。セイコーが理想とする時計を作りたい──。そんな思いのもとに開発されたのが、グランドセイコーでした」


 グランドセイコーのコンセプトはシンプルだった。「時計の本質を追求する」というのがそれだ。では、「時計の本質」とは何か。


 「時計とは時を知るための道具です。従って、正確であり、見やすいことが何よりも重要なポイントとなります。加えて、美しいこと、使いやすいこと、長く使えることという要素があれば、ほぼ『時計の本質』を満たしていると考えられます」


 時計と言えば機械式の時代だった。セイコーは、「最高精度の機械式時計」を目指し、グランドセイコーの機能向上に注力した。1960年代後半、スイスで開催されていた天文台コンクールで機械式腕時計部門の上位を独占した時点で、その精度はひとたび頂点に達した。

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