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『NTになるための強化ビジネスマン講座』実践編 第8回 アクティブリスニングで相手を動かす

マネジメント 鈴木 貴博 2011年06月13日

 私自身の話から始めさせていただきます。私がコンサルタントとして仕事をしていて気持ちのよい瞬間というものがあります。私の場合それはクライアントや業界の関係者と議論をしているときに「これが答えですね」という解が発見された瞬間です。


 例を挙げましょう。
 「あなたがおっしゃる現象はデフレで利益が出ないという点が問題なのではなく、売れ残った在庫がだぶついて価格が下がっていくという点の方が本質的な問題ではないのですか」
 「あなたが最近の顧客マナーの悪さを嘆かわしいと感じるのは、マナーが悪くなったのではなく、来店する顧客層が変わったからではないですか?」
 「あなたは以前、競争企業のやり方を“えげつない”とおっしゃいましたが、本当はそれ以上に“怖い”と感じていらっしゃる気持ちの方が強いのではないですか?」
 といった問いかけをぶつける瞬間が私の場合にはそれに相当します。


 このような瞬間には、相手は一瞬とまどい、言葉をつぐみ、または不快感をあらわにしながら、「いや、そうかもしれない」ないしは「そうかもしれないが、私は認めないよ」といった反応を返してきます。2時間のミステリードラマでいえば、クライマックスの崖の上で主人公に対して真犯人が「わかりました。そのとおり、わたしがやりました」とそれまでの重荷を降ろすようにすっきりとした顔で告白するような瞬間です。


 ドラマの犯人なら「自分がやった」ことを知っていますから、証拠を集めて追い込んでいけばよいのですが、コンサルティングを通じて真実を発見しようという場合は、相手は犯人ではなくクライアントです。そのクライアントから、「デフレで利益が出なくなった」「来店客のマナーの悪さがなんとかならないか悩んでいる」「競争相手のえげつないやり方に腹がたつ」といった問題をなんとかしたいと依頼をうけて、解決策を探るのがわれわれコンサルタントです。


 その答えは顧客調査から得られたり、競合企業分析から得られたりすることも多いのですが、実は最後の最後にクライアント自身の考えを整理することで、クライアント自身に発見させるという結末になることが非常に多いものです。童話『青い鳥』の結末と同じで、難しい経営課題の答えは、結局クライアントの脳内で発見されるわけです。そしてそれを促す技術がコンサルタントのアクティブリスニングということになります。


 アクティブリスニングとは通常のヒアリングとは違い、相手に問いかけ、相手の思考を促しながら答えを発見していくスキルです。インタビュー相手が発する言葉に頷きながら、質問をどんどん深めていき、最後は相手が気づいていなかった真実に到達する高等技術です。高等技術であるがゆえに、経験を積まないと身につかない技術だと考えがちですが、今回は、この高等技術を初心者でも実践できる方法を考案してみました。


 これから説明する3つのステップをまねるだけで、ふつうのビジネスマンでもかなりのレベルのアクティブリスニングができるようになります。今回は以下の3つのステップを学びながらアクティブリスニングを仮想体験していきます。深層の答えを相手から引き出すための3つのステップとは次の通りです。


 Step1 相手の警戒心を解く
 Step2 なぜを繰り返しながら相手の考えを引き出す
 Step3 (必殺の質問をぶつけるかわりに)相手に気づかせる


 いつも使うワークシートは、今回はステップ3だけに登場します。いつものように架空の例を用いながら、主人公にアクティブリスニングを通じた発見をしてもらいますので、みなさんも実際に自分がアクティブリスニングをするつもりで読み進めてみてください。

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コラムニスト・プロフィール

鈴木 貴博すずき たかひろ

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング株式会社代表取締役。  東京大学工学部物理工学科卒。ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)を経て独立。  企 ...

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