1. ホーム
  2. マネジメント
  3. 入門&実践コラム
  4. プロジェクトマネージャー達の挑戦
  5. 第9回

プロジェクトマネージャー達の挑戦 第9回 プロジェクト実践体験者である社会人としての挑戦 ~グローバル時代における教育現場への貢献案

マネジメント WISDOM編集部 2016年09月09日

ICTが創る未来の学習環境

 「学習ログ」の時代がいよいよすぐそこに到来しようとしている。2016年8月13日の日経新聞の社説では「産業革命4.0が拓く未来」と題して、「教育ビッグデータの本格的な活用の号砲が鳴った」としている。筆者は1997年から、ICT活用の世界の未来では、こうした学習環境が到来することを視野に入れ、教育とICTをテーマに活動を続けてきた。ICTが切り拓く最先端の教育の現場では、ビッグデータを活用した個別サポートの学習環境が提供されてくるであろう。さて、私たちは準備ができているだろうか?

 一方で、筆者は企業人として揉まれている中で、グローバル時代に必要な社会人基礎力としては、プロジェクトマネジメント能力も重要な才能の一つであると考えるようになった。こうした社会人基礎力を企業側が望んでいるとひしひしと感じる一方で、その社会人を送り出す学習環境である大学や初等中等教育等での改革は本当に進んでいるだろうか?また、こうした状況下で、企業人である私たちは期待すべき学習環境に、どのように貢献できるだろうか?


 文部科学省生涯学習政策局情報教育課が2016年6月に発行した「教育の情報化の動向」と題するペーパーでは、「教育の情報化が目指すもの」として、「思考の可視化」「瞬時の共有化」「施行の繰り返し」を挙げている。ICT環境を積極的に教育現場に導入する本来の意味を明らかにしている。こうした特長を活かす学習環境では「課題解決に向けた主体的・協働的・探求的な学びの実現」「個々の能力・特性に応じた学びの実現」「地理的環境に左右されない教育の質の確保」が期待できるとしている。このような資質を備えた学びの社会が実現するのであれば、私たちの未来もそう悲観的なものではなくなる。

教育のビッグデータを残せるPBL on PM

 社会人1年目の頃の最大の仕事、それは日々の仕事のジャーナルを書き、上司に報告をすることではないだろうか?訪問先での議事録、営業先の担当者の情報整理、売り上げの日計処理、様々な情報を入手し、記録に残し、それを企業の資産とする。所属する係、課、部単位で共有し、次の経営判断の指標を作る、やらされている感ではなく、自ら積極的に情報と向き合う、そんな思いが生まれれば、社会人としても一人前なのかもしれない。社会人と学生の意識の最も大きな違いはこんなところにあるのかもしれない。実は筆者はこれまでに中学、高校、大学での授業運営の経験があるが、どの学習段階でもこうしたジャーナルの提出を求めてきた。実は、優秀な学習者はこうした記録を整理し、それを元に学習計画を立て、学習時間を確保し、目標を達成する作業をうまくこなしている傾向が見られる。

 現代の企業はビッグデータをどのように扱うかで、重要な経営判断を求められることが多い。学生、生徒を育成する学習環境が、改革組織として生まれ変わり、グローバルに活躍できるコミュニケーション能力のある学習者を生み出す環境に変化するためには、こうしたICTを積極的に活用した運営方法を選択する経営判断が求められる日が近いのではないだろうか?


 このような思いを抱きながら、筆者は学習ログ、教育のビッグデータを残せる、学習環境を追い求めてきた。そうして行き着いたのが、協働作業の実体験の場でもあるPBL(Project Based Learning)環境である。今回、このシリーズで登場してもらった著者達は、共にNPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会のメンバーとして地道な活動を続けてきた同志でもある。グローバルな先端企業で活動しているプロジェクトマネージャー達が、一方で学校現場の教壇に立ち、教員と共に、新たな学習環境を設計、構築、提供し、共に日本の未来を支える学習者達と協働する、そんな挑戦の日々を生み出す活動を続けている。

 プロジェクトマネジメントをうまく運用するには、あらゆる情報の収集が必要であり、その情報を入手するにはコミュニケーション能力が大切であるということは、社会で様々なプロジェクトを経験してきた我々はよく知っている。その手法を伝達し、一つでも多くのプロジェクト体験を教育の現場で提供していく、そんな活動が私たちにできる社会貢献の第一歩となるのかもしれない。



このコンテンツをご利用いただくには、NEC ID登録が必要です。

ログイン

NEC ID登録

NEC ID(無料)にご登録いただくと、プレゼント応募やセミナー申込みなどの特典サービスがご利用いただけます。この機会にぜひ、NEC IDにご登録ください!

wisdomとは?

ライター:柳沢富夫
有限会社ラウンドテーブルコム 代表取締役社長
教育コンサルタント
NPO法人プロジェクトマネジメント・インキュベーション協会 理事
一般社団法人国際平和映像祭 顧問

この記事の評価
現在の総合評価(4人の評価)
4.5
あなたの評価
決定
  • すべての機能をご利用いただくには、WISDOM会員登録が必要です。
この記事に対するコメント
  • すべての機能をご利用いただくには、WISDOM会員登録が必要です。

同意して送信する

  • Kyokoさん

    シリーズ最終回なのですね!?毎回楽しみにしていました。教育とICTをテーマにした連載をまたやってほしいです。

    2016年09月10日 01:33



バックナンバー一覧を見る


Copyright ©NEC Corporation 1994-2017. All rights reserved.