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マネジャー力を鍛える 第6回 目標の創造と達成

マネジメント 矢部 則之 2015年01月16日

「目標の創造」がマネジャーにとっての大きなテーマ

 この連載の最終回となる今回のテーマは、「目標の創造と達成」です。マネジメントの定義が“他者を通じて事を成す”であるなら、“事”を説明するための中心概念が「目標」です。この連載のテーマとの関係では、“他者を通じて”と“成す”が、「メンバーとの関係を築く(第3回参照)」と「チャレンジするチームづくり(第4回参照)」に対応しています。
 目標は職場活動の現在と未来をつなぐ結節点として作用します。今、マネジャーに求められているのは、「どのように与えられた目標を達成していくか」ということよりも「どうすれば意味のある目標を創造し、関係者を巻き込んでいくことができるか」を考えられる力です。
 
 まず、以下のケースを読んでください。同社は、中堅のオフィス家具メーカーです。年の瀬も迫った12月のある日、営業部門の会議室でこんなやり取りがされていました。


荒巻(営業推進室マネジャー)
 「だから、そのスケジュールじゃ間に合わないんだって。」
豊田(首都圏営業一課主任)
 「だけど、もう少しモニター数を増やしてみないと、このオフィス・レイアウト・シミュレーションが、現場でうまく使えるかどうか分からないじゃないですか。」
荒巻
 「これまでやってきたモニターの実績をベースに、マニュアル作りを進めるべきです。年度末(3月末)までに、各営業拠点で操作トレーニングをやらなければならないことを考えるとギリギリの時期にきていると皆さんも思ってください。」
豊田
 「うーん。『オフィスの生産性と快適性の向上』が、このシステムのコンセプトだったわけでしょう。オフィスの業種・業態、面積や働く人の数を考慮しないと、このままでいけるかどうか。現場が混乱する気がするなぁ。」
内藤(営業推進室主任)
 「これまでとはタイプの異なるオフィスをテスターに選んで、営業の方で先行的にこのシステムを運用してみるというのはどうですかね。その結果をマニュアルのQ&Aに反映することもできると思います。」
佐藤(首都圏営業一課長)
 「それで、いざ提案になって、詳細は施工部の空間デザイナーと詰めてでは、これまでと何も変わらないよ。オフィスビルは入れ代わりも激しいので、スピーディに対応できようにしないと。」
荒巻
 「『年度末までに、オフィス・レイアウト・シミュレーションを構築し、現場で運用できる状態にする』と営業本部の目標にも掲げてありますし、うちの評価も未達成ということになってしまいます。それに部長から、販売店チャネルの改革に関する次年度目標の話が下りてきています。年明けからは、その準備とこれとを並行して進めないといけません。このシステムを、年度末までに計画通りにひとまず形にすることに、今は力を注ぐべきなんです。」   

<問い>あなたは、このやり取りを見てどう感じましたか

目標とは何か

 目標とは、「ある活動を通じた一定期間における成果」のことです。マネジャーの場合、「ある活動」とはマネジメント活動に、「一定期間」は、通期(上期、下期)となります。そして、「成果」は、本来、職場活動を通じて、顧客や組織にどれだけ“貢献”したかによって測られるべきものです。

何を成果とみなすのか

 そもそもマネジメント活動における成果とは何なのでしょうか。実は、この点に関する議論が、組織内で一番不足していたように思えます。確かに、企業活動においてまず求められるのは、経済的な成果、それも売上や利益など「結果」に関するものです。
 しかし、結果数値だけが成果なのかという点を、今一度、深く問い直してみる必要があります。成果と呼べるものが結果数値だけに固定され、それが評価にも関係していると、それが組織の不文律であるがごとくの意味を持ちはじめ、現場での一進一退を制することに捉われてしまいがちです。冒頭のケースでいうと、「オフィスの生産性と快適性の向上」に貢献するという目的がまず先にあって、これを実現する指標が「年度末までに、オフィス・レイアウト・シミュレーションを構築し、現場で運用できる状態にする」という目標だったはずです。



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  • 東海アトムパワーさん

    TQC経験者からみるとマネージャーが独善すぎ、労組が弱いというか御用労組になってる現在は部員の意思を考慮しなくなったのでしょうか

    2015年01月21日 16:31

  • 匿名さん

    結びの最後は、共感しかないですね。
    そんな人、見たことないので、私も、願ってやみません。

    2015年01月19日 12:29



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