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紀行コラム写真紀行 ベルギー逍遥

 1991年。どこにあるのか、どんな形なのか、どんな国なのか? 何も知らずに仕事の関係でベルギーに赴任した。自分の意志でも希望でもなく、辞令一本で突然未知の国に行く。サラリーマンの宿命とは言えこんな非道なことがあってもいいのだろうか?
  と、思いつつベルギーに着任して震えた。2月のこととて大変寒いと言う事もあったが、伝統と現実がこれほど見事に融和している国の存在と言うものがこの世に厳然とあることに驚き震えた。欧州列強の狭間で常に身を低くし、保身を保つ歴史をくぐって来た国が、今ではその特異な存在故にEUの中心機能を果たすようにもなっている。
  俄然この国の姿を記録したいと思った。あらためてカメラを求め、休日にはおんぼろのルノー5でベルギー中を走り回った。「楡の木の生える土地はすべて美しい」と言う言葉が有る。正に土地そのものが美しくあろうと言う意思を持ってでもいるかのように美しかった。これまでもそうだった、これからもそうだろうと言う揺るぎ無さがその美しさを一層際立て、見る者の襟を思わず立たせた。
  観光用の見せかけの古い街並みなどではない、真の街並み。ぼくはそこから風景を見る基本を学んだ。これから一年24回にわたってご紹介する写真でこの国をあらためて意識していただければ幸いである。

コラムニスト・プロフィール

金子 晴彦かねこ はるひこ

 1995年から香港に4年駐在し、ビクトリアピーク中腹のコンダット通りに住んだ。海辺から続く高層ビル群の大都会はそこまでで、その上にはジャングルに覆われた急峻な山肌がのしかかるように伸び上 ...

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