5分で分かるキーワード解説
JavaScript
ビジネス用語辞典2012年11月22日
- 【よみ】
- じゃばすくりぷと
- 【英名】
- JavaScript
現在世界中に存在するWebページの数は1兆を超えているといわれ、その数はさらに増え続けていますが、こういったWebページのコンテンツをブラウザ上で表示させるには、次の3つの技術が核になります。
・HTML(HyperText Markup Language)… Webページの構造を決める言語
・CSS(Cascading Style Sheets)…Webページのデザインを決める言語
・JavaScript … Webページの「ふるまい」を決める言語
動画や音楽などのない静的なWebページが主流だった頃は、JavaScriptはあまり重要視されていませんでしたが、Webにインタラクティブで動的な要素が求められるようになるにつれて徐々に普及しました。
・JavaScriptのしくみ
JavaScriptは、オブジェクト指向のスクリプト言語です。基本的にはWebブラウザを通して実行されるクライアント側の技術ですが、最近ではNode.jsのようにサーバー側のJavaScript技術も登場しています。
JavaScriptはWebページにインタラクティブな機能を追加し、HTMLやCSSだけでは表現できないダイナミックな動きをWeb上で表現できるようになります。スクリプト言語なのでコンパイルの必要がなく、ブラウザ上で処理が実行されるため、サーバーに対する負荷もかかりません。
下図が、JavaScriptが実行されるしくみです。ユーザーがリクエストしたWebページ(HTML文書)にJavaScriptコードが含まれていると、Webブラウザに搭載されているJavaScriptエンジンがスクリプト部分を解釈し、処理を実行します。例えばマウスオーバーで画像を切り替えたり、ある部分をクリックしたりするとアラートがポップアップしたり、一定期間ごとにページを自動で更新するなど、動的なふるまいが可能になります。
JavaScriptが組み込まれたWebページを閲覧するには、JavaScriptエンジンを搭載したWebブラウザが必要になります。現在ではInternet Explorer、Google Chrome、Firefoxなどたいていのブラウザには、スクリプト処理を高速実行するJavaScriptエンジンが搭載されています。
・JavaScriptの生い立ちと普及
JavaScriptという名前から、プログラミング言語のJavaを連想しがちですが、JavaScriptとJavaはまったく別の言語で、互換性はありません。JavaScriptは1990年代初頭に米Netscape Communications社で開発されましたが、当時は「LiveScript」と呼ばれていました。1995年に登場したJavaが、Javaアプレットという技術で注目されるようになったことを受け、当時Javaの開発元である米Sun Microsystems社と提携していたNetscapeは、Javaアプレットのような動的なふるまいを可能にするスクリプト言語にしたいと考え、Sunの許諾を得てJavaScriptという名称に変更したのです。
1996年、JavaScriptはInternet Explorer 3.0に搭載され、その手軽さから急激に普及します。しかし当時はリッチなコンテンツに対するニーズがそれほどなかったこともあり、Webサイト制作者などはブラウザに大きな負荷をかけるコードを簡単に記述できるJavaScriptを敬遠する傾向にありました。
しかし2000年代に入って台頭してきたAjax(Asynchronous JavaScript + XML)により、JavaScriptがもたらすリッチなコンテンツに世界中が注目するようになりました。AjaxとはWebブラウザ上のJavaScriptコードがサーバーと自律的にやり取りできる仕組み。この技術を使うと、Webで地図などを表示するときに再描画する必要がなくスムーズに見られるようになります。Ajaxを利用した地図サービス「Google Maps」が2005年に登場すると、これまで体験したことがないインタラクティブな表現力に多くのユーザーが魅了され、JavaScriptに対する期待が広がりました。
現在、JavaScriptは欧州の標準化団体であるECMAによって「ECMAScript」として標準化されています。初期の頃はブラウザごとの独自性が強く、実装がまちまちな場合が多かったJavaScriptでしたが、ECMAScriptが策定されてからはブラウザ間の互換性はかなり高まっています。
(2012年11月22日公開)
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