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ゆとりの達人

− 第1回 −

食の達人:料理研究家 カマタ スエコ氏
『食の原点を見直す暮らし』実践してみませんか?

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 「ゆとりの達人」は、生活を快適に楽しくすることを実践している達人をご紹介するコーナーです。第一回は、生活の基本:体に良いものをおいしく食べ、気持ちよく暮らす。そんなナチュラルライフを実践する料理研究家カマタ氏の心と身体の健康を考えるレシピのご紹介です。

 カマタスエコ氏は、コピーライター時代に料理関係の仕事に触れる機会が多く、渡英の経験後は、家庭料理研究家として活動の場を広げてきました。筑波の恵まれた自然環境で暮らすうち、食品の持つ本来のおいしさに開眼したというカマタ氏は、見た目だけにとらわれない栄養価の高い料理レシピを紹介し、多くの反響を呼んでいます。その活躍は、雑誌、「農耕と園芸」、「Herb Style」の連載や新聞へのエッセイ掲載など数え切れず、インターネットや衛星放送の番組などにも広く登場しています。



飽食の時代にまっとうなものを少しだけ食べる満足感を見直そう

――もともとは、コピーライターだったと伺っていますが、料理研究家の道を歩まれるきっけについてお話いただけますか?

カマタ スエコ氏

カマタ: コピーライターの仕事をしていたのですが、その際料理に関係する仕事が多かったんです。その時、レシピの書き方などを学びながら次第に食への関心が高まっていきました。小さい時から料理は好きでしたから。

 料理研究家として活動する決定的な転機になったのは、渡英した経験です。英国をはじめ、ヨーロッパでは長く愛用できるものが好まれ、さりげなく流れる時間がゆったりと、長いスパンで考えられています。友人たちの話の中にも築100年のお宅や、おばあちゃんから譲り受けた家具など、ひとつひとつにまつわる歴史がさりげなく、息づいているのがわかりました。英国で暮らした経験が、今までの自分の生活リズムを見直す大きな契機となりました。帰国後、都心での暮らしがイギリス生活とはかけ離れたあわただしいリズムだったことで違和感を感じ、茨城県つくば市で暮らし始めました。

 その時、自分の食べる食材を小さな畑で栽培し、採れた旬の野菜やそれを使ったレシピを紹介する「ハタケタイムス」を発行しました。これが予想外に反響があって、料理の道に入りました。

――ハタケタイムスには、ご自分で研究された料理をご紹介したのですか?

カマタ: はい。基本的には旬の野菜で作った料理を中心に自分が作りたいと思った料理を何回も試してみて、最適なレシピができるまでチャレンジします。凝り性が高じて、同じ料理が毎日続いて、時には1週間以上続いたりすることもありました。元来、とことん追求する性質なんですね。

――そんな凝り性のカマタ氏ですが、料理研究家という立場になってみて、改めて食に関する見方が変わったことなどありますか?

カマタ: まず、料理研究家というより、自分が地方暮らしではじめに気がついたことは、ちょっとした散歩でも季節の移り変わりを感じたり、旬の食材に対する味覚が鋭敏になるなど、いい意味で様々なものに対する感覚が敏感になりました。逆を言えば、都会ではこうした自然に持ち合わせていた繊細な感覚を失っていたのかもしれません。

――では、やはり味覚に対する感覚も研ぎ澄まされると食事に対する考え方も変わりますか?

カマタ: その通りです。自家栽培の野菜や近所の農家から分けていただいた野菜を食べてみた時、あまりのおいしさに驚き、逆に今まで何気なく口にしていた野菜がいかに味のないものだったのか改めて愕然としました。 食材でも自然のものと流通を経由したものでは、これだけ差がありますが、市販の加工食品はさらに多くの問題をはらんでいます。例えば、食品添加物です。市販の食品には添加物が多いのは、元来の製法ではコストもかかるし、保存に手間がかかるため、本来必要のないものを加えています。例えば、梅干だってパンだってそうです。原点に戻って本来の作り方を踏襲すれば、添加物は必要ありません。

 味のない野菜や添加物がいっぱいの食品では、心も舌も満足しません。まっとうなものを少しだけ食べることが満足感を味わう一番の近道です。飽食の時代と呼ばれて久しい現代、本当に良い食品を少し食べる満足感を見直すことで、肥満や食品アレルギーなども今よりずっと軽減されるはずです。

 今は、経済性や便利さを優先するために、こうした食の原点を見直すことを忘れてしまっているのではないでしょうか。


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