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Web 2.0で飛躍!スタートイ社

− VOL.5 −

Web上のクチコミ情報をリアルタイムに分析、活用

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 Web2.0によって個人の発言機会が増加した結果、一般消費者は、購買活動の際に、Web上のクチコミ情報を重要な参考情報の1つに位置づけるようになりました。そのことにいち早く気付いたスタートイ社では、それらを分析してマーケティング活動に活用している様子。Web2.0は、こんな形でもビジネスに影響を与えているのです。

マーケティング部員 「『エクササイズ・フラッシュ・けん玉』、おおむね好評みたいですよ。デザインでは、若干、改善の余地もあるみたいですが…。反響の大きさも、まずまずですし、僕らとしても一安心ですね」

北根氏 「そうだな。プロモーションの方向も、しばらくはこのままでいくべきだろうな」

マーケティング部員「でも反響や評判がリアルタイムにわかるって便利ですね。調査会社にお願いしていた頃は、だいぶ時間が経ってからの情報でしたからね」

北根氏 「しかも、どの商品のどの点が、どんな風に評価されているかまで分かるんだからな。でも、その情報を生かすも殺すも、俺たち次第だ。来週、もう一度分析してみて、打てる対策を早めに検討しておこう」

マーケティング部員「了解です。打倒インスタント・マッスル・ヨーヨーですからね!」

 Web2.0によって、インターネット上でのコミュニケーションが活発になった結果、一般消費者の購買活動の情報源は大きく変化しました。以前は、気になる商品についての情報を収集する場合、商品の提供元である企業が発行するカタログやホームページに記載された情報などが主な情報源でした。しかし、現在は、ブログなどに記載された同じユーザ視点からの評判情報が重要になってきています。実際に購入した人の「ここが優れている」「ここは少し改善して欲しい」といった感想、つまりWeb上のクチコミが、購買活動におけるとても重要な情報源となっているのです。実に9割近くの消費者が、Web上のクチコミ情報を参考にしているという調査結果もあります。

 一方、商品を提供する企業の側から見れば、これらクチコミ情報は、重要な消費者の生の声となります。そこで、こうしたWeb上のクチコミによる評判情報を分析し、マーケティングに活用できないかと考える企業も増えてきました。

 スタートイ社のマーケティング部門も、いちはやくクチコミ情報の有用性に気付き、分析・活用を開始しています。今回調査したのは、先月ついに発売された「エクササイズ・フラッシュ・けん玉」についての評判です。

 まず、マーケティング部門が調査を行ったのが反響の大きさでした。良い評価、悪い評価に関係なく、Web上にどれくらいコメントがアップされたのかを測定したのです。その上で、ほぼ同時期に発売した「ネクスト・ジェネレーション・反発ボール」への反響も測定し、両者を比較しました。エクササイズ・フラッシュ・けん玉には、ネクスト・ジェネレーション・反発ボールの数倍の予算を割いてプロモーション活動を行ったので、その分、反響も大きくなければ、プロモーション活動そのものに問題があったことになります。つまり、反響の大きさをプロモーション活動の成否を判断する1つの材料としたわけです。

 幸い、エクササイズ・フラッシュ・けん玉への反響はネクスト・ジェネレーション・反発ボールに対する反響を大きく上回っており、マーケティング部門のプロモーション活動は一定の成果を挙げたことが証明されました。もちろん、継続的に調査を続け、同一商品でのプロモーション実施以前、以降の数値を比較することができるようになれば、より厳密にプロモーション活動の費用対効果を見極めることもできるようになります。

 次にマーケティング部門が分析したのが、アップされたクチコミ情報の具体的な中身です。実際に商品を購入したユーザが満足しているのか、あるいは不満を持っているのかを分析したのです。

 分析の結果、エクササイズ・フラッシュ・けん玉は、多くのユーザから良い評価を得ていることがわかりました。満足しているユーザのコメントを、より詳細に分析すると、遊び方がわかりやすく、大人から子供まで、年齢に関係なく、単純に楽しめる点が最も評価されたようです。

 一方で課題も見つかりました。それが、北根氏と会話をしているマーケティング部員も指摘していたデザイン面の評判です。それほど多くはありませんが、けんだまの「玉」の部分のカラーバリエーションに対する不満があったようなのです。そこで、マーケティング部門では、さっそく分析結果を開発部門、生産部門にフィードバックし、対策を講じてもらうことにしました。こうした分析を続ければ、商品の不具合をいち早く知り、素早い対策を講じることも可能になります。

 このように、今日、Web上には、企業にとって非常に貴重な情報が多く掲載されています。それらを常にチェックすることで、自社商品への評価をリアルタイムに知り、マーケティングや次の商品開発に役立てることができます。つまり、Web2.0によるコミュニケーションの活性化は、企業にとって何物にも代え難い宝である「顧客の声」を、目に見える形で浮かび上がらせてくれたのです。


●コラム
評判情報をコールセンターのデータベースにも反映
 ブログなどが身近なコミュニケーションツールとして普及した結果、商品に対する疑問などをメーカーではなく、他のユーザに尋ねる人が増えています。そこで、スタートイ社では、収集した評判情報のうち、多くの人が感じている疑問、要望などをコールセンターのデータベースにも蓄積。電話での問い合わせがあった場合にも、素早い対応ができるようにしています。




個人向けの評判情報分析サービスも登場!

 

 Web上のクチコミ情報を分析し、マーケティングに活用しているスタートイ社。その背景には、クチコミ情報を購買活動の参考にする一般消費者の増加があることはすでに述べました。それを受け、個人消費者向けのクチコミ紹介サービスやサイトも増えてきています。

 その1つが、化粧品や自動車など、特定の商品ジャンルに絞って、各参加者がクチコミ情報を持ち寄ることを前提として運営されているサイトです。サイトの中には、商品種別がさらにジャンル分けされるなどしており、参加者は、そこにクチコミ情報を書き込む、あるいは閲覧することが可能になっています。

 以前から、レストラン情報などを集約し、紹介するサイトの1つの機能としてクチコミ情報を掲載しているサイトはありましたが、こちらはメインがクチコミ情報となっているのが特徴的といえるでしょう。同様のしかけのものは意外に多いようですから、利用したことがある人も多いかもしれません。

 一方で、最近になって、新しい仕組みのクチコミ紹介サイトも登場してきました。個人が運営しているブログなどにアップされたクチコミ情報をWeb上から自動的に収集、独自に分析し、まとめて表示するサイトです。例えば、BIGLOBEで紹介している「みんなの評判β」というサイトが、それに当たります。

 みんなの評判βでは、観光地や行楽地、様々な商品に関する口コミ情報を誰でも自由に閲覧することができるようになっています。具体的には、観光地などに関するクチコミの情報源はWeb上でオープンにされているブログから、本やCDなど商品に関してのクチコミ情報は「Amazon.co.jp」のカスタマーレビューから、機械的に収集・分類し、グラフ化するなどしているのです。

 先に挙げたサイトのこうしたサイトの大きな違いは、クチコミ情報の収集と評判抽出の方法。前者は、クチコミ情報を参加者が自主的に書き込んだり評価したりするための場をサイトが提供することで評判も抽出しますが、後者は、サイトが自動でネット上からクチコミ情報を収集、評判抽出をします。後者の方がより広範な範囲からクチコミ情報を集めることが可能ですが、いかに有益な情報を抽出するかがカギとなります。ですから、このようなサイトが実現した背景には、データ分析技術、データのノイズ除去技術の向上などがあるのです。

 スタートイ社のようなマーケティング活動が可能になったのも、こうした技術の進展があってこそ。今後、クチコミ情報の活用に関する技術動向からは、しばらく目が離せません。


BIGLOBEみんなの評判β画面例
画面は東京タワーの評判情報のグラフ。ここ一週間では、平均して10件程度のクチコミがあり、9割以上の人が「よい」評価を
していることがわかります。

(2008年2月12日公開)


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