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あいてい堂 繁盛記 ネットワーク拡大編

− 第20回 −

Web 2.0

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参加と共同で次のサービスやビジネスを生み出す新しいインターネットのあり方。消費者から企業へと広がるWeb 2.0の現在。

2.0という言い方がずいぶん流行っています。インターネットの新サービスがWeb 2.0なら、社内のネットワークは「イントラ」2.0。新しいポータルも、意外なゲームも2.0で、なかには「郵政民営化で郵便局も2.0化」という言い方までありました。さらに、今年(2007年)になってからは、ケータイの新シリーズも2.0で大キャンペーン中です。
まさに猫もしゃくしも2.0という勢いですが、ここまで2.0という言い方が流行しているのも、やはり、元祖である「Web 2.0」自体の影響力の強さがあってこそ。2004年10月、その名も「Web 2.0コンファレンス(現Web 2.0サミット)」で世にでて以来、Web 2.0という概念は、今に至るまで、ウェブの進化をリードし続けています。

Web 2.0という概念が生まれる1つのきっかけは2001年のドットコムバブルの崩壊にありました。
バブル崩壊の結果明らかになったのは、多くのドットコム企業が「見かけ倒し」であったこと。しかし、一方では、バブル崩壊後も力強い成長を続けている企業も、バブル崩壊後に新たに画期的な新サービスをつくり上げた企業も、実は多数存在していました。オンラインショッピングのAmazon、検索エンジンのGoogle、そしてバブル崩壊後に登場した写真共有サイトのFlickrなどなど。株価は下がったとしても、一方でインターネットは誰もが利用する段階に達しつつあり、またADSL等のブロードバンド技術も身近となっていたことで、消費者側のネット利用はむしろ活発になっていました。これらの企業は、そうした動向をうまく捉え、ビジネスを拡大していっていたのです。
ではドットコムバブル崩壊で消えて行った企業と、それでも成長を続けている企業の差はどこにあったのでしょうか。Web 2.0という考え方は、コンピュータ関係の出版社であるO'ReillyとMediaLive International(コムデックスやインターロップ等のIT関連のイベント開催で知られるカンファレンス会社。2006年にCMPメディアが買収)の2社のスタッフによる「この疑問に答えよう」というブレーン・ストーミングの中から生まれて来たものです。

Web 2.0は、決して明確な定義があるものではありません。O'Reilly社のCEOであるティム・オライリーは、Web 2.0の「宣言」文書ともいえる「What Is Web 2.0」の中で「多くの重要な概念と同様に、Web 2.0も明確な輪郭は持たず、その他のもの を引きつけるコアとして存在する(訳文はCNET Japanを参照)」と述べています。つまり、Web 2.0は、これだと決めつけられるものではなく、その考えに刺激されることによって新しいアイディアやビジネスが様々に生まれてくる、いうならば一種の発想の「場」「ベクトル」のようなものなのです。
とはいえ、全くカタチがないというわけではありません。「Web 2.0的」と呼ばれるテクノロジー、ウェブサイトには、それまでのWebのあり方(Web 2.0に対してのWeb 1.0)とは大きく異なる点が2つあります。1つはアプリケーションの作り方や提供の仕方。もう1つは企業(サイト)とユーザの関係の仕方です。

ブログやSNSのようにユーザーが情報を提供するようになったのね。Web 2.0系と呼ばれるサイトの大きな特徴の1つは、いままではPCのパッケージ・ソフトを購入しなければ使えなかった機能が、サイトにいくだけで、簡単に使えるようになっている点です。しかも、パッケージ・ソフトとは異なり、1つのソフトの機能を他のソフトと組み合わせて使ったり、自分が入力したデータだけではなく、ネットに接続している他の人が書き込んだ情報も活用できるなど、より自由で拡張性の高い利用ができるようになっています。例えば、Google Map。住所を入れるだけで地図情報が表示されるだけではなく、付近のお店を検索したり、さらにそれをMyMAPとして登録したりすることが可能です。
インターネット・ブラウザで接続しさえすれば、様々な機能が、まるでPCのアプリケーションのように使い勝手のいいインターフェースで、しかも、普通のアプリケーションでは考えられない拡張性をもって利用することができる。この、パッケージ・ソフトの購入ではなくサイトを経由したソフトウェア機能の提供手法を、Web 2.0では、「SaaS(Software as a Service=サービスとして利用できるソフトウェア)」と、また、様々なSaaSを自由に組み合わせると共に、多数のユーザ間で柔軟にデータや情報を共有していくやり方を「(PCではなく)Webのプラットフォーム化」と呼んでいます。
Web 2.0では、上記の機能を「軽く」て「オープン」な技術、ソフトウェアで実現しています。例えばプラグインやクライアント・ソフトがなくても、ブラウザだけでPCのアプリケーション並みの操作性やインターフェースが実現できるAjax(Asynchronous JavaScript + XML)。このAjaxは、いままでのウェブサイトの構築技術(XMLやJavaScript等)の組み合わせで出来ているため、難しい開発言語を学ばなくとも、各種のアプリケーション開発をスピーディに行っていくことができます。

上記で説明したSaaSやAjaxの利用、それを活用したWebのプラットフォーム化と並ぶもう1つのWeb 2.0の特徴が「ユーザ参加型」です。これを象徴しているのが、ブログ(Web log)やSNS(Social Networking Service)などのサービス。サイト側からの情報提供ではなく、ユーザが情報を提供し、ユーザ同士でコンテンツを発展させていくことができるこうしたサービスは、Web 2.0系サイトの中でも、もっとも早い時期から成功したものということができるでしょう。こうして集まったユーザ情報は、企業にとっても宝の山。ブログから消費者動向を解析するマーケティングサービスも幾つも生まれて来ています。
もちろんWeb 2.0の参加性は、単に「書き込みができる」ということに留まりません。そこから一歩進み、ユーザをサイトの「設計」にも参加させていこうという流れも強くなってきています。この1つの現れが、ブログやソーシャルブックマーク(ネットを通じてブックマークを他の人と共有できるサービス)でよく見かける「タグ/タギング」の手法。お仕着せの分類ではなく、ユーザ自らが付けるキーワード(=タグ)に基づいて、より自然でわかりやすいカテゴリー表記をしていこうとする考え方です。


上記の2つの流れは、重ね合い、組み合わさって、さらに様々な潮流を創りだしています。例えばマッシュアップ。これは他のWeb 2.0のサイトで提供しているアプリケーション・サービスを呼び出し、そこに新しいアプリケーションを組み合わせる(マッシュアップする)ことで、さらに新たなサービスを開発していくというもの。先に例として上げたGoogle Mapは、他のウェブサイトがその地図上に様々な情報やサービスをマッシュアップし、多くのサービスを生み出していることでも有名なサービスです。
またアプリケーションの流れとユーザ参加の流れを組み合わせたものも多くあります。例えばSNS上でのCDや書籍などのリコメンデーションのコーナーですが、これは実は提携しているAmazonや楽天などのショッピングサイトの商品データベースを呼び出し、そこででてきた商品にユーザ評価を書き込ませ、さらにそこから商品が購入できるコーナーにリンクさせるという「ユーザ参加とマッシュアップが1つの流れとして統合された」サービスになっています。


次から次にあたらしいマーケティング手法が生まれているんだ!こうしたWeb 2.0の動きは、新しいマーケティング手法も生み出しつつあります。
例えばロングテールという考え方があります。TV等のマス媒体や店舗を中心としたマーケティングでは、媒体や店頭のスペースに限りがあるため、どうしてもたくさん売れる商品に的を絞らざるを得ませんでした。しかし、Web 2.0の世界では、何十万、何百万というユーザがブログなどを使って、あるはそのブログを広告スペースとして、多種多様の商品を個別にリコメンドしていくことができます。この具体的な例が、何百万というサイトにその記事内容に合わせて自動的に広告を配信するGoogleのアドセンスという新たな広告手法であり、ユーザが自分のブログに商品紹介を自発的にしてくれるような仕組みを提供するAmazonの販促手法です。こうした手法が普及した結果、マイナーな商品を細かく積み上げることで大きな売上に繋げるロングテールという新しい市場が生まれることとなったのです。
また、全く逆に、「大きな話題を創る」ためにもWeb 2.0は使われています。面白い話題であればあっという間にマスメディア並みの人数に伝播していくSNSやソーシャルブックマーク、ブログのネットワークの特徴を活かし、インターネット上でのクチコミを行っていくプロモーション。これもバイラル・マーケティングやCGM(Consumer Generated Media=消費者自体が生み出すメディア)マーケティングという名前で様々に試みられています。

消費者向けのウェブサイトのサービスとして始まったWeb 2.0ですが、次第に企業での利用も進みつつあります。まずは企業サイトにブログやSNS等のユーザ参加型の機能を追加することによるマーケティング面での利用。ついで社員ブログや社員SNSを使うことで、社内の組織の壁を越えてコミュニケーションやコラボレーションを活性化させる企業内利用。さらに、Ajax等のWeb 2.0系技術の導入やSaaSの利用による、より素早くかつ低コストでの社内システムの開発などなど。将来的には多数の企業システム間の「マッシュアップ」によるコラボレーションの実現も期待されています。
ブラウザさえあればすぐに使えるWebプラットフォーム上のアプリケーションのため、いちいちパッケージ・ソフトのようにインストールする手間やコストがいらず、また、他のアプリケーションとの「マッシュアップ」も簡単にできる。しかも、ネットワークに繋がっている多数のユーザ、お客様から社員までが協力しあって、様々な思い・意見・ニーズを集め、それに対する解答を考えることで、新しいビジネスへと発展させていくことが可能となっていく。
Web 2.0は、ウェブサイトやインターネットの中に留まらない、サービスやビジネス自体のイノベーションでもあるのです。

Web2.0と企業利用

詳細情報

NECのWeb 2.0への取り組み

Web 2.0という言葉をよく見聞きしますが、Web 2.0的といわれる新しいWebのあり方は、生活者(消費者)を中心とした世界で進化・・・続きを読む


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