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「創業200年 あいてい堂 繁盛記」

− 第6回 −

ビジネスにも使えるP2P技術

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「サーバにアクセス」というネットワークの常識は無用!
 PC間でダイレクトに情報を交換しあうP2P

「ピア・ツー・ピア(peer to peer)」、あるいは「PtoP」「P2P」。そんな言葉を見たり聞いたりすることが多くなってきました。“ピア(peer)”とは、“仲間・同僚”の意味。ネットワークでは個々のPCを指します。つまり、「peer to peer」「PtoP」「P2P」とは、「PCからPCへ」インターネットなどでつながったパソコン同士で直接情報をやりとりするネットワーク形態です。
 これまで、ネットワークの主流はサーバ型ネットワークで、サーバに情報が集められ、ユーザはサーバからデータやファイルを引き出していました。しかし、P2P型ネットワークでは、個々のPCから直接情報を引き出します。

例えば、P2Pを一躍世に知らしめたのは、6年前の音楽無料交換サービス「Napster」の登場でした。同サービスの利用者は、インターネットを使って自分のPCが保存するMP3形式の音楽ファイルのリストを米Napster社のサーバに登録しておく一方、入手したい曲があれば、リストを検索し、当該ファイルを持つPCに直接アクセスしてダウンロードします。中央サーバはファイル検索データベースの提供とユーザの接続管理を行うだけ。同サービスは好きな曲の音楽ファイルを無料で入手できることから、一時は五○○○万人とも言われるほど利用者が拡大しました。しかし、著作権を侵害するということで、レコード業界から訴えられ、敗訴。社会的にも大きな話題となりました。

当初は、そんな著作権絡みのフライングもあったP2Pですが、ビジネスにも活用できる技術であり、企業向けアプリケーションソフトやシステムが続々と開発されています。例えば、NTTは、メールサーバを置かずに利用者のパソコン間で電子メールが直接やり取りするP2P電子メールシステムを開発しています。また、今やオフィスに欠かせないグループウェアでも、「Lotas Notes」の開発者が設立した米Groove Networks 社が開発した「Groove」などP2P技術を用いたグループウェアが数多く出ています。これらP2Pグループウェアであれば、新規スペースの構築や新規参加者の登録なども簡単で、配信コストも従来のグループウェアよりも安くなります。

そもそも、サーバ型ネットワークでは、サーバの設置やデータベースの構築などネットワークの導入・維持に大きなコストがかかります。しかし、P2P型ネットワークであれば、サーバは必要なく、情報は個々のPCに分散保存され、ネットワークの維持・運営コストが大幅に削減されます。しかも、アクセスの集中によってサーバがダウンするといった心配をする必要がありません。
 そのため、ファイルの共有・交換やグループウェア、コンテンツの効率的配信などを目的に社内情報システムにP2Pを導入する企業が増加してきました。ことに、多額の情報投資が難しい小規模事業者の場合、P2Pであればネットワークが構築できます。例えば、理美容業界では、専用線ではなくインターネットで本部と各店舗を結び、売上管理や在庫管理をP2Pで行うケースも出てきました。各店舗の売上や来店人数、商品在庫などの情報が店舗のPOS端末に入力しておけば、インターネットを通して本部のPCや経営者などの携帯電話からもリアルタイムに見ることができるシステムです。同システムでASP 側に支払うコストは、端末とソフトのリース代を含め一店舗あたり月二万円程度。ネットワークの導入コストや維持コストがサーバ型ネットワークに比べて格段に低く抑えられています。

IP電話にもP2P技術が活用されるようになっています。2003年から展開されている「Skype」がその代表例で、専用のP2P電話ソフトを取り込んだPC間なら、国際電話であっても無料。PC同士の直接接続であるため、一般のIP電話のような交換機の役割を担うサーバなどを必要とせず、運営コストがほとんどかからないからです。すでに利用者は世界170 カ国、700 万人以上。日本でも、2004年秋からライブドア社が同サービスを展開しています。
今や、電子情報の量は急増し、情報をサーバで集中管理することへの限界も見えてきました。P2P技術の活用やP2P型ネットワークの構築が一大潮流となっていくことはまちがいありません。

P2Pは、低コストの情報分散処理を可能にする技術としても注目されています。というのも、通常、個々のPCのCPUはフル稼働していません。そこで、多数のPCをP2Pで結び、各CPUの余力を使ってスーパーコンピュータ並みの非常に複雑な計算をしていく。例えば、非常に複雑な計算を要する分野にバイオ分野などがありますが、米インテルと英オックスフォード大が共同で進めるガン治療薬のためのたんぱく質の研究では、P2P型ネットワークを構築し、進められています。


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