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「創業200年 あいてい堂 繁盛記」

− 第5回 −

IP電話の個人導入

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グラハム・ベルが電話を発明してから一世紀余。
IP電話が家庭でも簡単に導入できるようになり、
電話というコミュニケーションツールは一大転換期を迎えている

「距離にかかわらず通話料金は一律」「同じIP電話サービス加入者同士なら通話料無料になることも」・・・。そんな料金メリットを睨み、IP電話の導入がますます拡大しています。企業のIP電話導入については、『あいてい堂繁盛記』第1回で触れました。では、一般家庭への導入状況はどうでしょうか。
 大手プロバイダー(インターネット接続事業者)であるヤフーBBだけを見ても、2003年末には個人向けIP電話回線数が345万回線を突破するなど、IP電話は家庭にも着実に浸透しています。そもそもIP電話の個人向けサービスが登場したのは、2001年。法人向けサービスより早いスタートでした。以来、プロバイダー各社がIP電話をADSL(非対称デジタル加入者線)の標準サービスとしたり、CATV会社がCATV回線網をIP電話網と接続し、IP電話サービスを展開するようになっています。

言い換えれば、IP電話の一般家庭への普及は、ADSLや光ファイバーなどブロードバンド(高速大容量)通信サービスの利用者拡大とリンクしています。IP電話はインターネットという公共公衆回線を使うことによって、低料金化を実現している電話サービスであるからです。
 そして、当初はインターネットの常時接続をしているパソコン間でしか通話できなかったIP電話は、各プロバイダーの回線網の相互接続はもとより、従来の電話回線網との接続が進み、現在は、従来の固定電話と同等の利便性を獲得しています。その導入も簡単。IP電話サービス事業者(通信事業者や回線事業者、プロバイダーなど)に申し込めば、IP電話に付与される「050」から始まる電話番号が割り当てられ(*1)、通話はこれまで使ってきた電話機でOK。FAXも使えます。料金も、すでにブロードバンド回線を接続している家庭なら、月々のインターネット接続料に数百円を追加するだけです(*2)

*1: IP電話サービスのタイプによっては、「050」の番号ではない場合も。
*2: IP電話サービスの事業者、サービスタイプによって異なる。

今後、こうしたIP電話の活用は、総務庁が「2010年完全IP化」を掲げていることもあって、より加速していくと思われます。事実、IP電話の登場により、電話料金の値下げ競争が激化する中、KDDIは2007年度末までに固定電話網を完全IP化する計画を進めています。また、NTT は、2010年までに固定電話加入件数の半分にあたる3000万回線を光ファイバーに置き換え、「光IP電話」の普及に取り組む姿勢を見せています。ブロードバンド通信の最終形と言われる光回線を使った光IP電話によって、さらなる通話料の低料金化や通話品質の一層の向上、従来の電話番号をそのまま使えるなどのメリットが期待されます。
 世界に目を転じても、電話回線網のIP化は世界的な潮流です。英国の通信大手ブリティッシュテレコムグループは、2008年までに固定電話回線網のIP化を決定。2004年末のIP電話サービス加入世帯が約40万世帯と推測される米国でも、2009年末までに加入世帯は米全世帯の1割、1200万世帯にまで拡大すると言われています(米調査会社ジュピター・リサーチの予測) 。

その結果、長距離ほど料金がかさむといった、これまでの電話の常識は覆されていくことは確実です。さらに、IP電話はデータや画像も同時に送ることも可能で、テレビ電話なども当たり前になってくると思われます。
 電話は単なる通話手段ではなく、幅広いコミュニケーションを実現するツールとなる。百年の歴史を持つ電話という音声通話サービスは、いまや大きな転換期を迎えています。


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