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旨い食材ここにあり

− 第9回 −

豚肉を品種で選ぶ時代が来た (2007年9月3日掲載)

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 豚肉が盛り上がっている。BSE騒動や鶏インフルエンザ問題などが世間を騒がす中、豚肉は着々とその価値を上げているのだ。しかし、豚については識られていないことも多い。店頭に並ぶ精肉パックに、以前なら単に「豚肉」と表示されていたのが、最近では「○○豚」というようなブランド名が付されているのをよく見かける。「こっちの方が美味しいんだろうな」と手を伸ばす人もいるだろう。このような豚を銘柄豚といい、平成17年3月現在、全国で255以上確認されているが、実は銘柄を名乗るためには公的な認証などは必要ない。「今日からうちの豚を『□△豚』と呼びます!」と名乗るだけでよいのだ。だから正直なところ、通常の豚に毛が生えたようなものもある。

 本当に美味しい豚肉に出会うためには、消費者も豚について識るべきだ。豚は高度に研究された家畜で、よい豚を生むための分析は一段落している。標準的な品種の中から、求める肉質に応じた掛け合わせをするのが主流だ。例えば日本での標準的な掛け合わせはLWDという。これはランドレース(L)の雌と大ヨークシャー(W)の雄を掛け合わせた豚の雌に、デュロック(D)の雄を掛けるということだ。このLWDは肉が大きく、健康に育ち、子供を沢山産んでくれるので、日本の標準となっている。

 一方、特殊な品種を選ぶのも最近の流行だ。例えば黒豚と言われるバークシャー(B)は、肉が小さいが、適度な霜降りとコクのある美味しい肉になる。有名な中華食材である金華ハムの原料となる金華豚も中国からごくわずかに輸入されていて、これを他品種と掛け合わせたものが静岡県で育てられている。極めつけは梅山豚(めいしゃんとん)だ。日本国内に100頭あまりしか原種がいない稀少品種で、その肉は極上の霜降りで指で持つだけで脂がサラリと溶ける。これが豚肉かと驚く深い旨みがある美味しい肉である。

 このような稀少品種の豚肉を食べてみたいと思っても、店頭のパッケージには書いていないことが多い。ぜひ店員に尋ねてみよう。そしてできれば数種の豚肉を食べ比べてみるといい。あまりに味が違うことに驚くはずだ。貴方好みの品種をぜひ探してみていただきたい。


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