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uIDレポート

− 第一話 −

ユビキタスIDセンター

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 現在、私たちはユビキタスIDセンターという組織を設立し、ユビキタスコンピューティング技術やユビキタスネットワーキング技術(ここでは、両方をあわせて、「ユビキタス技術」と呼びます)の研究開発、標準化、普及活動を行っています。uIDセンターは、T-Engineフォーラムという技術フォーラムの内部にあります。T-Engineフォーラムは、次世代の組込みコンピュータの基盤技術やユビキタス技術の研究開発、標準化、普及活動を行う国際的な技術フォーラムです。私たちはT-Engineフォーラムを2002年6月に、uIDセンターを2003年3月に設立しました。ともに坂村健・東京大学教授が代表を務めています。現在、坂村教授のリーダシップの下で、様々な活動を進めており、会員は世界中から450組織を超えています(2004年9月1日現在)。恐らく世界最大の組込み・ユビキタス技術のフォーラムではないかと思われます。このT-EngineフォーラムとuIDセンターが一つのプロジェクトの両輪となって研究開発を進めているところが重要であり、またそれがuIDセンターの特徴です。このことは、次回の原稿の中で触れたいと思います。



uIDセンターの活動

 uIDセンターの主な活動は、ユビキタス技術の研究開発やユビキタスのインフラとなるシステムの運用、様々な応用に対してユビキタス技術を適用する実証実験などです。

 ユビキタス技術には特徴となる様々な要素技術があります。最も重要で鍵となる技術は、コンピュータが人やモノ、場所などの実世界の情報(これを一般的に「context:コンテキスト」といいます)を自動的に識別し、それに応じてカスタマイズされた情報サービスや環境制御を行う技術です。こうした実世界の情報に基づいた情報処理のことを、学術的には"Context-Awareness"(コンテキストアウェアネス)と呼んでいます。

 uIDセンターでは、このコンテキストを認識する基盤となる識別コード(ucode)の標準化やその割り当て、管理を行っています。また、RFIDやスマートカードなどといった電子タグの技術開発やその標準化、ucodeデータベースの運用、ユビキタス環境におけるセキュア通信のための認証局の運営等も行います。

 また、多くの実証実験も手がけ、国土交通省と進めている「自律的移動支援プロジェクト」(写真1参照)、農林水産省の実証事業として実施している「食品トレーサビリティ」(写真2参照)、またそれ以外にも医薬品のトレーサビリティ、港湾における物流支援、デジタルミュージアムなどを実施しています。uIDセンター・T-Engineフォーラムは、フォーラムの会員や政府、大学等とともに、これら数多くの実証実験に取り組んでいます。

写真1 自律的移動支援プロジェクト

写真1 自律的移動支援プロジェクト(2004年)

写真2 食品トレーサビリティ実証実験

写真2 食品トレーサビリティ実証実験(2004年)




本連載の予定

 本連載は本号を含めて、12回で行う予定です。本連載では、抽象的な技術の話ではなく、ユビキタス技術を私たちの未来の生活の中でどのように使われるのかといった、具体的な利用例をできる限り多くお話ししていきたいと考えています。既にユビキタスIDセンターが実施している、食品トレーサビリティや自律的移動支援プロジェクトなどは、詳しく取り上げていきたいと思います。また、12月には、ユビキタスIDセンターが毎年手がける最大の展示であるTRONSHOW 2005があります。ここで展示されるユビキタスIDセンターの技術の様々な姿についても、本連載の中でご紹介したいと思います。また、本連載の最後には、こうしたユビキタス技術が社会の中でどういう意義をもち、私たちの生活の向上に対してどのような寄与を行うことができるのかといったことにもふれられたらと思っています。以後の連載に是非ご期待ください。


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