− 第8回 −
企業業務や生活を支援するセンサーネットワーク
〜企業・社会システムに新たな付加価値を〜
センサーネットワーク普及による企業内システム&ネットワークの変化
このように、センサーネットワークはいくつもの周辺技術に支えられ、着実に実用化に向かって研究・開発が進められている。これに伴い、様々な面で、自社システム、自社ネットワークにセンサーネットワークが入り込んでいくことになるだろう。
まず考えられるのがオフィス管理のシステムだ。現在、防犯、防災、そしてきめ細やかな省エネやファシリティ・マネジメント等、物理的なオフィス管理のシステム化、ネットワーク化が急激に進んできている。上述したように、これはまさにセンサーネットワークの得意分野。当然のことながら、オフィスの新築やリニューアルに際して、これからはセンサーネットワークの導入が積極的に検討されていくことになるだろう。
オフィス外の分野、例えば工場や倉庫、運送、販売の現場においても事情は同様だ。先に述べたRFIDとの組合せによる商品管理もそのいい例であるし、走行車両に設置されたセンサに基づいて鉄軌道や高速道路の路面補修の必要性を自動的にチェックする、構内外の電力網や水道・ガス・空調等のパイプラインの監視を行う等の公的・私的インフラストラクチャの管理にもセンサーネットワークは活用できる。
こういった際、どのようなセンサーネットワークを導入し、そして企業内の既存ネットワークとどう接続していくか。今後の自社システム構築にあたっては、こうした観点を欠かすことができない。
もう一つ忘れてはならないのが、センサーネットワークの基本となっているアドホックネットワーク技術だ。予め入念な設計を行い、各端末を設定しなければならない既存のネットワーク技術とは異なり、アドホックネットワークならば、端末側で周辺の機器とやりとりし、ルーティング・テーブルを自動生成して「勝手に繋がってくれる」。
この技術をうまく活用すれば、ビジネスの必要に応じた社内システムの拡張が、情報システム部門に負担をかけることなく、随時可能になる。組織改編や引っ越し、人員の増減の際に、いちいち面倒なネットワークの調整作業をしなくとも済むようになるわけだ。
センサーネットワークおよびその関連技術は、ユビキタス社会の縁の下の力持ちとして、また、既存ネットワークの改善・強化の効果的な手段として、多大な力を発揮してくれそうだ。
(2004年8月23日公開)










