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ユビキタステクノトレンド

− 第8回 −

企業業務や生活を支援するセンサーネットワーク
〜企業・社会システムに新たな付加価値を〜

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センサーネットワークの鍵を握る無線アドホックネットワーク技術

 次に問題となるのがネットワークの構成だ。前に例をあげたように、センサーネットワークが設置されるのは装置をしっかり固定できる場所とは限らない。災害地で利用する場合には、従来のネットワークのように設計・設定をしている時間などないから、短時間で容易に設置できることも重要だ。それこそセンサーをばらまけば人手を介さずに自動的に設定が完了するくらいでなければ、実用にはならない。

 従来のネットワークには、必ずシステム全体を把握している管理者が存在する。しかし、センサーネットワークの場合、自動車や人の例でもわかるとおり、センサーが移動するケースも多々あるから、従来のような管理は不可能だ。すなわち、ネットワークが自律的に構築され、ネットワーク構成の頻繁な変更が許されるような仕組みでなければならない。インターネットのように、特定の装置に大きなパワーが要求され、アクセスが集中するクライアント/サーバー方式のネットワークも向かない。それよりも、システムの付加を分散できるP2P(ピア・ツー・ピア)方式の通信のほうが向いている。

 こうした条件を満たすのが、「アドホックネットワーク」だ。アドホック(ad hoc)とは、「臨時の、臨機応変の、その場限りの」といった意味のラテン語で、まさにこれまで説明したような用途に向いたネットワーク技術といえるだろう。アドホックネットワークでは、ネットワークを構成するひとつひとつの装置がノード(接続ポイント)となり、送信元から送信先へ複数のノードを経由して情報を送る。そういった仕組みから、「マルチホップネットワーク」と呼ばれることもある。

 また、屋外/屋内の別なく利用でき、移動するノードにも対応しなければならないから、有線ではなく無線ネットワークであることも不可欠だ。つまり、センサーネットワークの実現には、無線アドホックネットワーク技術の開発が必要不可欠ということになる。


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