− 第7回 −
いつでもどこでも情報が「見える」時代へ
〜ディスプレイの進化がもたらすもの〜
2)新機能を追及する次世代ディスプレイ
物流現場でのヘッドマウント・ディスプレイ利用イメージ
(島津製作所秦野工場敷地内・島津ロジスティクスサービス)
紙と同等、というだけがディスプレイの進化ではない。紙の代替という範囲を超え、ディスプレイでなければ実現できない新規の機能を付加することも、今後のディスプレイ開発の重要なテーマだ。
このひとつが3Dディスプレイ技術である。
左目と右目では入ってくる画像が微妙に異なる。この差があることが、見る物体の奥行きを感じさせている。3D表示の手法のひとつである「視差バリア」は、この原理を応用して立体画像を作り出すものだ。従来、これを実現するためには、専用のメガネが必要だった。しかし、液晶技術を利用した3Dディスプレイでは、メガネなしでも視差バリアを作り出せるものが出てきている。加えて、メーカーによっては「視差バリア」以外の異なるアプローチをとっているところもあり、また、50インチのプラズマ・ディスプレイを利用した大型3Dディスプレイも開発されるなど、3Dへの挑戦が様々に行われている。
立体表示は、ディスプレイの大型化と並んで、映像をよりリアルに再生する手段のひとつである。映画の再生はもちろん、デパートや空港、駅、展示会場等の案内図をわかりやすく表示するなど、その用途はさまざまに考えられる。しかし、そこに専用メガネが必要となると、途端に利便性は半減してしまう。
3D表示の応用範囲を広げるためにも、裸眼で立体表示が見られるディスプレイの開発は不可欠。この面でも新たなディスプレイ技術普及の期待は大きい。
置いて見るのではなく、逆に見る側に装着するというあり方も、ディスプレイの用途の一つである。一時期、バーチャルリアリティ(VR)を実現する手段として話題になったヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)であるが、これが今、ウェアラブル・ディスプレイとして再び注目を集め始めている。
かつてのVR用HMDは、顔の上半分を覆う仰々しい形状で、装着すると実風景はまったく見えなくなる大仰なものだった。それに対して現在のディスプレイは、左目または右目の単眼用で、視線を少しずらせば目の前の風景もちゃんと見えるタイプが主流だ。画像は、目の前数十センチの距離に10〜13インチ程度のディスプレイを置いた感覚で表示される。
この新型のHMDの利用方法もさまざまだ。乗り物の中などでPCやゲーム機のディスプレイ代わりに使えるのはもちろん、計器・機械類の点検の最中に、マニュアルや資料を参照するときにも使える。
点検作業だけではない。工場や倉庫などの現場において、両手を使い対象から目を離せない作業は数多い。まだまだ限定的ではあるが、こういった利点を評価され、工場や倉庫、さらには自動車レースのピットなどにHMDが採用される事例が次第に増えてきている。「現場仕事はHMDを付けて」というのが当たり前になる時代もそう遠くはないかもしれない。
(具体的なHMDの採用事例はビジネストレンド第6回「情報と人をつなぐインターフェース」参照)











