− 第51回 −
ダークサイド・オブ・クラウド −クラウドの暗部−
その難関に立ち向かう米国IT業界(前編)
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【2009年7月1日(水)16時締め切り】
クラウドについて講演するVishal Sikka氏(CTO、SAP)Enterprise Cloud Summitにて筆者撮影
わが社のインメモリー・ベース技術は(オンデマンドの世界で)大規模・高速処理を可能にするだろう。(中略)わが社のユーザーにはHPと協力して全世界規模でクラウド・コンピューティング導入に挑戦している企業もいる──Vishal Sikka氏(Chief Technology Officer、SAP、Enterprise Cloud Summit)
2007年あたりから注目されたクラウド・コンピューティングは、今やハードやソフトのベンダーからシステム・インテグレーターまで、IT業界全体を巻き込んだ大きなブームになっている。個人や中小企業から始まった実験的な導入が、徐々に中堅や大手企業ユーザーの関心をひくようになり、機器・サービスの新需要がみこめるまでに拡大したことがその背景にある。
たとえば、ラスベガスで5月に開催されたエンタープライズ・クラウド・サミットでは、SAP、IBM、HPのほか、クラウド・データセンターのAmazon社などが講演をおこない、大企業向けクラウド・コンピューティングの時代が間近であることを力説した。
冒頭で紹介したSAPの講演などを聞くと、今すぐにもクラウド・コンピューティングが実現できそうだ。しかし、現実はそう甘くない。“24時間・365日”安定した稼働と規制への対応が求められる基幹アプリケーションをクラウドで構築・運用することは容易ではなく、その導入は決してスムースには進んでいない。この状況を米国では「Dark Side of Cloud(クラウドの暗部)(1)」とよんでおり、クラウド・ベンダーは、この厳しい難関を乗り越えるため多くの努力を重ねている。今回は米国クラウドの最前線を追ってみたい。
(1) 別に、The Dark Side of the Cloudとか、The Dark Side of Cloud Computingとも呼ばれる。

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執筆者 : 小池 良次(こいけ りょうじ)
京都外国語大学卒業後、ブラジルのサンパウロ新聞社に入社、社会面・経済面を担当。その後、帰国し民間調査会社に就職、リサーチャーとして技術動向調査、技術出版など300プロジェクト以上を企画運営する。









