− 第41回 −
ポスト・インターネットの申し子か
米ネット業界で伸びるソーシャル・ネットワーク・サービス
SNSとポータルは、本質的に違うのか
そもそも、ポータルサイトとソーシャル・ネットワーク・サービスはどこが違うのだろうか。Yahoo!やGoogle、AOLなどのポータルサイトもMyspaceやFacebookなどのSNSでも、ブログや写真・ビデオ共有、チャットなどサービス科目に大きな違いはない。にも関わらず、なぜSNSへとユーザーが集まるのだろうか。
両者の違いはユーザーの帰属意識かもしれない。SNSでは、友人や知人、同業の人々だけが集う。そこでユーザーは自由に意見を述べ、写真を公開し、赤裸々に自分を露出する。そこはインターネットではなく、自分だけのネット世界という暗黙の安心感がある。だからこそ、SNSにおける営業活動では、コミュニティの外に誘導するマーケティング手法がうまく機能しない。
一方、SNSコミュニティの住民にとって、インターネットは未開の原野であり、Yahoo!やGoogleは、そこにそびえる都市だろう。インターネットには犯罪もあり、赤裸々に自分を出すことはできない。つまり、ユーザーは、ポータルサイトにはない自分の古巣(帰属意識)をSNSで発見したのだろう。その意味で、SNSはインターネットに満足できないネットユーザーの世界であり、アンチ・インターネット(あるいはポスト・インターネット)の動きとも言える。
筆者ばかりではなく、最近では、インターネットをオープン・ソサエティ、SNSをクローズド・ソサエティと分析したり、同様に前者をメディア・ビジネス、後者をコミュニティ・ビジネスと解説する議論がふえている。
1990年代、広大な知識の海原に乗り出そうとインターネットに燃えた人々はいま、安心して住めるネットコミュニティを渇望している。
(2007年11月12日公開)

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執筆者 : 小池 良次(こいけ りょうじ)
京都外国語大学卒業後、ブラジルのサンパウロ新聞社に入社、社会面・経済面を担当。その後、帰国し民間調査会社に就職、リサーチャーとして技術動向調査、技術出版など300プロジェクト以上を企画運営する。









