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小池良次 米国発、ITトレンド

− 第21回 −

波紋広がるディズニーのピクサー買収
激動時代に突入したCGアニメーション業界

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 1995年のトイ・ストーリーの大ヒット以来、ピクサー社はCGアニメーション時代を切り開いてきた。その同社が、1月24日、ディズニーに買収された。買収総額は74億ドル、日本円で約8740億円の大型買収だ。ピクサー社がディズニーの傘下にはいったことで、米アニメーション業界は激動の時代に入ろうとしている。ハイテクノロジーの粋を集めた同業界は、これからどこへ向かってゆくのだろうか。今回はピクサー買収の波紋を追ってみたい。

ピクサー、成功の歴史

 10年を越えるピクサーとディズニーのつきあいは、華々しい成功に彩られる一方、対立と融和が混じり合った起伏に富んだ関係だ。

 ピクサー社の歴史は、スター・ウォーズで有名なルーカス・フィルム社のコンピュータ・アニメーション・グループ(George Lucas’ Special-effects computer group)から始まる。その後、1986年にアップル・コンピュータの創設者、スティーブ・ジョブス氏が、1000万ドルで同部門を買収し、社名をピクサー(Pixar)とした。当時44名の同社は、CGの大型展示会シーグラフで短編アニメ“ルクソーJr.(Luxo Jr.)”を紹介し、その卓越した技術で多くの注目を集めた。また、1988年には“ティン・トイ(Tin Toy)”を、翌89年には“ニック・ナック(Knick Knack)”を発表し、数々の映画祭で受賞を続ける。その間、独自のCGソフトウエア(商標RenderMan)を完成させ、CGコマーシャルの分野に手を染めてゆく。

 こうして迎えた1991年、ピクサーはディズニーとともに15本のCGコマーシャルを制作している。しかし、ピクサーはコマーシャル・フィルムに安住しなかった。大手配給元であるディズニーとの契約を取り付け、長編CGアニメーション“トイ・ストーリー(Toy Story)”の制作を進めた。そして1995年、公開にこぎ着けた同作品は、米国だけで上映収入1億9200万ドルを達成、全世界の同売り上げは3億 6200万ドルという大ヒットとなった。スティーブ・ジョブス氏は、新時代のアニメーション技術と魅力的なストーリーを展開するピクサーを育て上げ、またもや「時の人」となった。

 1997年、ピクサーはディズニーと5作の長期契約を結び、従業員400名の大手CGアニメ・スタジオに成長してゆく。そして、1998年には“バグズ・ライフ(A Bug's Life)”で上映収入3億6200万ドル、1999年の“トイ・ストーリー2”で同4億8500万ドルと、次々に大ヒット作を生み出していった。

従業員数比較

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執筆者 : 小池 良次(こいけ りょうじ)
京都外国語大学卒業後、ブラジルのサンパウロ新聞社に入社、社会面・経済面を担当。その後、帰国し民間調査会社に就職、リサーチャーとして技術動向調査、技術出版など300プロジェクト以上を企画運営する。



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