− 第17回 −
トラフィック・ビジネスの新世界を切り開く
グーグルの狙う新ビジネス・モデルを探る
まとめ
そう考えると、グーグルが電力線ブロードバンドのベンチャー、カレント・コミュニケーションズに投資した件が気に掛かってくる。実は、“他社が追従できない検索対象”と言う点と“この投資”が結びつくかもしれないからだ。既に述べたように、グーグルはリンク解析法で業界トップの技術を持つ一方、ディスクトップ検索でもマイクロソフトやヤフーと肩を並べて競争している。唯一、グーグルの弱点は、ネットワーク・ビジネス(ISP)を持っていないことだ。もし、グーグルがネットワーク・ビジネスを持てば、ユーザーがグーグルで検索を掛けてから、実際にリストアップされたサイトの閲覧をおこなうまでのすべての過程を把握することができるからだ。具体的には、ユーザーの動向をパソコン・レベルで把握する一方、グーグルに集まってくる様々なパケットの流れをネットワーク事業者の視点から俯瞰する。そうなれば、インターネット全体レベルで検索エンジンの最適化を狙うことができる。
グーグルがニューヨーク市立図書館横のブライアン公園で無料ホットスポットを提供したり、サンフランシスコ市に無料Wi-Fiネットワークのプロジェクトを提案したりしているのも、ネットワーク・ビジネスを手に入れるための模索と言えるかもしれない。もし、グーグルが大型投資をするとすれば、唯一の可能性はAOLやアースリンクと言った消費者に強いISPかもしれない。
こうして見ると、グーグルのビジネス・モデルと投資プロジェクトは巨大化している。どうやら「4800億の追加資金でも不十分かもしれない」と懸念するのは、筆者ばかりではなさそうだ。
(2005年10月24日公開)

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執筆者 : 小池 良次(こいけ りょうじ)
京都外国語大学卒業後、ブラジルのサンパウロ新聞社に入社、社会面・経済面を担当。その後、帰国し民間調査会社に就職、リサーチャーとして技術動向調査、技術出版など300プロジェクト以上を企画運営する。









