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小池良次 米国発、ITトレンド

− 第14回 −

インスタント・メッセージが変えた
米企業内コミュニケーションの動向

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 ここ10年ほど、企業内コミュニケーションにも様々なブームがあった。たとえば、グループ・ウェアやユニファイド・メッセージングなどは、もっとも馴染みの深いブームの一つだろう。そうした中、同分野で最近注目を集めているのがインスタント・メッセージングとプレゼンスだ。その背景には、面談会議や電話に代わる“リアルタイム・ツール”の模索がある。今回は、最近の企業内コミュニケーションを追ってみよう。

日米における企業内コミュニケーションの違い

 企業内コミュニケーションは、日米における職場環境の違いを反映している。米国では、個室あるいはキュービクルと言われる囲みで、従業員それぞれの作業空間が仕切られている。もちろん、電話やパソコンは従業員それぞれが持っており、米国では職場においても“プライバシー”がある。この点は、日本の大部屋形式と大きく違う。たとえば、電話が掛かってくれば、日本では同じ部署の誰かが電話に出て対応するが、米国では個人メッセージボックス(留守番電話)つながる。また、国土が広いために電話会議を多用するのも米国流だ。

 こうしたコミュニケーションをタイム・シフト型ツールと呼ぶが、こうした利用形態は近年、ネットワークによって大きく促進されている。電子メールによる指示や確認が飛び交い毎日大量のメールを受け取るほか、遠隔地とのウェブ会議なども増えている。また、リモート・アクセスによって、自宅や出張先から企業ネットワークに接続して仕事をこなすことも日常化した。こうして従業員は、場所や時間に制約されずに仕事を進める環境が広がっている。

 組織や経営もそれにともない大きく変わってきた。つまり、部署や作業グループ単位にオフィスを構え、従業員を“場所と勤務時間”で拘束する形式をやめて、生産性や機能性を評価指標にして命令・指示・報告系統を組み直す“成果主義” の経営だ。

 工場のなどの設備負担がないコンサルティングやソフトウェア産業では、この傾向が強く、米マイクロソフトは典型的な例と言える。同社は、クライアント部門、インフォメーション・ワーカー部門など7つの“主要事業部”が、地域別の組織(海外法人)をこえて経営を行っている。また、事業部ばかりでなく広報部門などでも同様で、すべての決裁権限が米国本社に集中し、世界中の広報担当は米国の決裁権限者の指示によって作業をすすめることになる。つまり、欧州や日本法人の社長はいても、各部門の運営や業績目標は、米国本社が直轄している。このように、部門それぞれが収益目標を追求するため、地域にとらわれず権限の集中を行う経営は、高度な社内コミュニケーション・ツールなしには考えられない。


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