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スペシャリストが語る最新IT動向

経営戦略とサービス指向アーキテクチャ

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トップの理解のもとで業務視点とIT視点を一致させることが成功に導く

 企業情報システムのあり方を考えるEA(Enterprise Architecture)は、トップダウンアプローチで始まることが多く、体制づくりルールづくりなどの仕組みづくりを先行して行い、それからアーキテクチャの設計に入っていきますが、SOAでも、トップに長期的な視点で見た場合の必要性を理解してもらうことが重要です。トップやビジネス部門の人たちに理解を求めるときには、SOAという言葉を使わないようにするのも1つの知恵です。はじめにSOAありきではなく、システム利用部門の言葉ではなく、業務側の言葉、たとえば“業務はこうあるべきである”という話の進め方で理解を求めます。そして、業務の視点からITのアーキテクチャを考えたらSOAになったという「気づき」に導くことが重要です。

 なぜならば、SOAの真髄は業務とシステムの接点にあるからです。この「気づき」のもと、システム利用部門と情報システム部門が協力し、業務視点とIT視点の接点が見極められ合意点すれば、ブレの少ない良いシステムができあがります。

 従来、情報システムについて、その満足度を調べると、情報システム部門側は60〜70%と考えているのに対し、システム利用部門側は30〜40%しか満足しておらず、両者の意識には相当のギャップがあることがわかっています。

 一般的に企業の情報システムは、システム利用者側が要求を述べこれを受けて情報システム部門またはITベンダがつくりますが、トップダウンの場合には、業務目線での合意があるため、企画の内容に業務視点での整理が相当に含まれることになります。その意味でも、SOAの取り組みではEA同様トップの理解が重要になります。



SOAはビジネスマター

 SOA導入にあたっては、業務アプリケーションのサービス化を考えるだけでなく、たとえば内部統制など企業のあらゆる課題を可視化する統合プラットフォームをつくるという考え方をする必要があります。さらに、ビジネス目標を達成するための戦略遂行ツールとしての統合プラットフォームづくりであると考えるべきです。ガートナーでは、このような企業ビジョンの実現、業務プロセス改善のための統合プラットフォームを「ビジネスプロセスプラットフォーム」と呼んでいます。

 コンサルタントも、SOAは業務のプラットフォームをITアーキテクチャで実現するために重要であると考えていると思いますが、お客様は、ビジネス上の効果を求めており、技術力プラスビジネス価値提案が必要な時代です。

 SOAの効果という点については、現在が導入フェーズであることを考慮すると、本格的に効果が表れるのは2〜3年後ではないかと考えています。そして、気づいたときには、SOAを導入した企業とそうでない企業の間には大きな差が、IT面のみならずビジネス面で生まれているのではないかと予想しています。たとえば、タイムリーにマーケット需要に応えようにも、ITを活用した意思決定ができない。あるいは、目標実現に向けてのパートナーシップ締結への取り組みができないなど、SOAを導入しないことは企業ビジネスにとってのマイナス要因にもなりかねません。このように、SOAはITの問題というよりも、ビジネスマターなのです。

 したがって、ビジネス側とIT側の合意に向け、IT側は常にSOAの必要性について説明を続けることが大切です。それぞれの企業文化によって異なる部分もあるかと思いますが、SOAがきっかけとなり、業務側とIT側が文化を変える良いチャンスにもなります。SOAには、それだけのインパクトがあるのです。


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