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− 第21回 −

IC(RFID)タグ

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 数年前から注目されているIC(RFID)タグだが、その歴史は意外と古く、第2次世界大戦のころまでさかのぼる。それが小型チップ化されて実用的に使われ始めたのはここ数年のことだ。

 ICタグとは、接触することなくそのなかに含まれる情報を読み出すことのできるチップのことだ。SuicaやEdyのようなICカードも同様の技術ではあるが、ICタグは基本的にそのなかの情報を書き換えることがないという点で異なっている。タグという言葉から連想されるように、そのなかにはキーやID となるデータが書き込まれており、読み出した側がマスターを持つことで詳細情報を得る。ICタグの最大の特徴は非接触で多数のデータを読み取れるという点だ。バーコードがひとつひとつ読み込まなければならないことに比べるとその効果は高い。

 このメリットが生きる用途のひとつは、多品種大量の商品を扱う分野だ。デパートやスーパーは在庫管理の効率を上げるためにさまざまな方法を検討しているが、最大の問題はピッキングと呼ばれる数量管理だ。ICタグを使えば棚の奥にある商品を取り出すことなく数量を得られるだけでなく、賞味期限などの付加情報も同時に収集できる。もちろん、レジの精算も一気に行なうこともできる。

 このようなメリットを持つICタグだが、問題点がないわけではない。何度か行なわれた実証実験によれば、読みとれなかったり、関係のないものまで読んでしまう、といった技術的な問題が指摘されている。さらに別の問題もある。それはプライバシーに関する問題だ。

 ICタグに含まれるデータと個人の購入履歴を組み合わせることにより、個人の行動が第三者に知られてしまう可能性があるのだ。たとえばAという店で靴を買ったとする。靴をカードで購入したり、ポイントカードを使ったりすると、A店はICタグ情報と個人を結びつけることが可能になる。そのICタグ=個人情報データベースがあれば、その靴を履いてICタグ読み取り機のそばを通過することで、どこを歩いているかを追跡することができるというシナリオだ。

 実際にはこのようなICタグ=個人情報データベースが一般に公開されることは考えにくい。しかし、系列店や同じチェーンの店舗ならありえないとはいえないだろう。このような懸念を持つ団体が各種の実証実験に反対していることを理由に、採用を取りやめた企業も存在する。

 もちろんリサイクルやエコロジーに対する意識の高まりを背景に、ICタグの導入が進むことは間違いない。問題はセキュリティやプライバシー、効率化やリサイクルなどの折り合いをどこでつけるかという、技術的ではない部分にある。技術的ではない上に、国内だけで決まる問題でもないことが事態を複雑化している。そのため、いたるところでICタグが普通に使われるようになるまでには、もう少し時間がかかるのではないだろうか?

(2005年2月21日公開)

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