− 特別編 −
医療や建設などへの適用でRFIDの可能性を広げるセラミックスICタグ (2007年3月23日公開)

RFIDの利用拡大が期待される中、「RFIDができること」ではなく「RFIDでしかできないこと」の発想でICタグの研究開発とソリューションの提供に取り組むベンチャー企業がある。KRDコーポレーション社長の小松弘英氏は「RFIDの意義はデータ保全にあり、データを毀損しないことがRFID普及のポイントになる」として、耐久性や耐熱性などに優れた特性を持つ独自のセラミックスICタグを開発。従来のICタグでは困難だった加熱殺菌や薬品洗浄が必要な手術器具の管理に活用されるなど、RFIDの可能性を広げている。
再利用でコストを抑えられるリサイクルICタグを開発
KRDコーポレーション株式会社
代表取締役社長
小松弘英氏
KRDコーポレーション(以下、KRD)は、日本陶器(現ノリタケカンパニーリミテド)に勤務していた小松弘英氏が独立、1990年に創業したベンチャー企業である。設立当初は、鉄道の自動改札機や銀行のATM、プリンターなどの紙送りに使われるセラミックローラーの開発を行っていたが、2002年からICタグの研究開発に着手している。「今後、自動認識技術の導入が不可欠になると考えてRFIDへの取り組みを開始しました。市場調査を進めるうちに大きな課題があることに気が付いたのです」と述べる。
当時、RFIDは実用化に向けて実証実験が行われていたが、システムを構成する機器やICタグは「総じて高価であり、多くの企業にとって現実に使用できる価格ではありませんでした。また、ほとんどのICタグが1回限りの使い捨てを前提に作られていたため、ICタグを使えば使うほどコストが膨らみます。さらに廃棄されるICタグによる環境への影響も懸念されました」と振り返る。
リサイクルICタグ
こうしたICタグの課題解消に向けて研究開発を続け、2004年に発表したのがリサイクルICタグである。これは、ICタグの電子回路を丈夫な樹脂ケース(ICプレート)に封入することで何回でも繰り返して使用できるようにし、ICタグの購入コストの削減と廃棄の問題を解決するというもの。リサイクルICタグは、まずはパチンコ台を遊技場に輸送する運送会社に導入され、輸送・保管する新品・中古のパチンコ台や倉庫の棚番号札にICタグを貼り付けて管理、輸送業務の迅速化や効率化、誤配送の防止に役立てるとともに、輸送後はICタグを回収して再利用することでコスト削減を可能にしているという。

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