− 第18回 −
交通系ICカードを活用し、公共交通の乗車履歴と時間貸駐車場の精算機システムを連携させたパーク&ライドの実証実験
OSAKA PiTaPaを活用した乗車履歴連動型パーク&ライドの実証実験
こうした課題を改善するため、パーク24と大阪市交通局などでは2007年7月から2009年3月までの予定で、OSAKA PiTaPaの「楽楽ポケット」(「FeliCaポケット」(*注5)を用いてポイントやクーポンなどをICカード1枚に集約できるサービス)を活用した乗車履歴連動型のパーク&ライドシステムの実証実験を、タイムズ住之江公園駅前駐車場で実施している。

その仕組みは、(1)同駐車場への初回入庫時に、精算機でタイムズクラブカードとOSAKA PiTaPaで楽楽ポケットの登録を行う、(2)OSAKA PiTaPaを利用して住之江公園駅から大阪市営交通に乗車し同駅に戻ると、OSAKA PiTaPaに乗車履歴情報が記録される、(3)出庫時に精算機にOSAKA PiTaPaをかざすと、当日に住之江公園駅の利用があれば優待駐車料金が適用されて精算され、駐車料金に応じて後日、OSAKA PiTaPaにポイントが付与される、というものである。
この実証実験は、駐車料金や乗車料金を軽減し、パーク&ライドの普及促進を図ることで大阪中心市街地の渋滞緩和やCO2排出量削減による環境改善に貢献する狙いがある。
「従来のパーク&ライドは、乗車券を駅の係員に見せて優待駐車券を発券するなどの手順が必要でしたが、ICカード内の乗車履歴情報と精算機を連携させることで自動的に駐車料金を優待料金にできるので、スムーズにパーク&ライドを実現できます。」(岩渕氏)
課題を抽出し検証することで、より利便性の高いシステムを目指す
今回の実証実験のポイントは、交通系ICカード内の乗車履歴情報を駐車場の精算機と連携させることにある。「運用やシステム監視は当社独自のシステムであるTONICを活用すれば、技術的にそう難しいことではありませんが、乗車履歴という個人情報を取り扱うことに関して非常に慎重になる必要がある。ここを技術面、運用面でセキュアに実装するため方法について大阪市交通局と日本信号と議論を重ねた」と岩渕氏は述べる。連携のためのシステムは、駅の自動改札機や駐車場の精算機を製造する日本信号が開発した。OSAKA PiTaPaで駐車料金優待がされる八尾南駅前駐車場での取り組みなどを通じて、サービスの機能拡張を議論し、乗車履歴連動型パーク&ライドの実証実験を始めたという。
事前登録が必要なこともあり、利用者はまだそれほど多くはないようだ。「今後、事前登録などを含めた課題を抽出し検証することで、より利便性の高いシステムを目指していきます。非接触型ICカードを用いて鉄道と駐車場を連携させることで、渋滞緩和など様々な効果が期待できます」(斉藤氏)。
また、非接触型ICカードの可能性については、「情報の読み書きが手軽に行え、利便性の高いサービス提供が可能です。リーダ/ライタを備えた端末の普及など課題はあるものの、利用金額に応じたポイント付与といったインセンティブによって、消費者の行動が変わる可能性があります」と岩渕氏は見ている。
非接触型ICカードの可能性を広げる意味でも、乗車履歴連動型パーク&ライドの実証実験の成果が注目される。
注5) Felicaポケット 非接触IC技術のFelicaを用いたICカードや携帯電話で利用される複数の決済・クーポンなどのサービスを、1枚のカードや1台の携帯電話に集約できるアプリケーションシステム。
(2007年12月10日)

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