− 第18回 −
交通系ICカードを活用し、公共交通の乗車履歴と時間貸駐車場の精算機システムを連携させたパーク&ライドの実証実験
パーク24、大阪市交通局、日本信号、大阪メトロサービスは、交通系ICカード「OSAKA PiTaPa」を活用した「パーク&ライド」システムの実証実験を2007年7月から大阪市内で実施している。非接触型ICカードを用いて大阪市営交通(地下鉄・ニュートラム・バス)の乗車履歴と時間貸駐車場の精算機システムを連携させ、乗車履歴に応じて駐車料金を割り引くとともに「OSAKA PiTaPa」のポイントを付与するもの。こうした利用者向けの特典によりパーク&ライドの普及促進を図り、大阪市中心部の渋滞緩和やCO2排出量削減による環境改善を目指している。実証実験の狙いや非接触型ICカードの可能性をパーク24に聞いた。
CO2排出量の削減に向けて期待される渋滞緩和や駐車場不足の改善
地球温暖化防止に向けてCO2排出量の削減が国家的な課題になっている。CO2排出量と密接に関係するのが道路の渋滞である。国土交通省道路局のデータによれば、渋滞によって自動車の速度が1/4になると、燃料消費量が約2.5倍になるという。渋滞の緩和を目的に2006年6月に改正道路交通法が施行され、違法駐車への取り締まりが強化されたが、一方では都市部における慢性的な駐車場不足が指摘されている。
こうしたなか、時間貸駐車場「タイムズ」を運営するパーク24では、駐車場事業を通じて違法駐車の減少や渋滞緩和などに貢献し、社会的な役割を果たしてきた。全国各地で駐車場事業を展開する一方、いち早くITを活用した駐車場管理のシステム化を推進。駐車場精算機と情報センターをオンラインで結ぶ「TONIC(トニック)」の構築もその1つだ。「オンラインシステムにより、クレジットカードでの駐車料金のキャッシュレス決済サービスや、携帯電話への空車・満車情報の配信などのサービスを実現しています」(パーク24 経営企画部課長の斉藤智之氏)。
また、ITを利用した様々な「実験」に取り組んでいる。例えば、2007年5月には、長堀駐車場(大阪市中央区)にETC設備を設置し、ETC車載器による駐車場決済サービスを開始している(事前登録が必要)。
交通系ICカードと連携した駐車料金の決済サービス
パーク24では、急速に利用の広がる交通系非接触ICカードの電子マネーを用いて駐車料金を決済するサービスを積極的に始めている。2005年11月にタイムズステーション川崎で「Suica」(*注1)での決済サービス導入したことを皮切りに、関東圏のJR東日本沿線のタイムズで同サービスを順次展開。また、東武鉄道と連携し、8月から「PASMO」(*注2)による駐車料金の決済サービスを「タイムズ新座志木」(東武東上線志木駅)で開始したほか、10月にはJR西日本の「ICOCA」(*注3)による決済サービスを「タイムズ新大阪駅東口」で開始している。
こうした中、2006年3月から大阪市交通局の交通系ICカード「OSAKA PiTaPa」(*注4)と連携したサービスを「タイムズ八尾南駅前」で開始している。駐車場の入場時に、駐車券発券機の非接触型リーダにOSAKA PiTaPaをかざすと、優待駐車料金用の駐車券を発券。通常より割安の駐車料金で精算できる仕組みだ。「OSAKA PiTaPa1枚で市営地下鉄の利用から駐車料金の決済まで行えるパーク&ライドの試みとしてスタートしたのですが、実は課題もありました」とパーク24 事業企画本部グループマネージャーの岩渕泰治氏は打ち明ける。
その課題とは、タイムズ八尾南駅前駐車場の入庫時に精算機にOSAKA PiTaPaをかざせば、市営地下鉄の利用の有無にかかわらず優待駐車料金で決済できるため、「完全な仕組みのパーク&ライドとはいえなかった」(岩渕氏)。
注1) Suica(スイカ) JR東日本の非接触ICカード。JR東日本、首都圏の私鉄・地下鉄・バスに加え、加盟店で電子マネーとして利用できる。携帯電話を利用して乗降や買い物ができるモバイルSuicaもある。
注2) PASMO(パスモ) 首都圏の鉄道(私鉄、地下鉄、JR)、バスに加え、加盟店で電子マネーとして利用できる非接触ICカード。
注3) ICOCA(イコカ) JR西日本の非接触ICカード。 JR西日本、関西の私鉄・地下鉄・バスに加え、加盟店で電子マネーとして利用できる。
注4) OSAKA PiTaPa(オオサカ ピタパ) 関西の鉄道(私鉄、地下鉄、JR)、バスなどで利用できる非接触ICカード。加盟店で電子マネーとして利用できる。

-
RFIDを「グローバルな経営体制への対応を迫られている企業のマネジメント革新に役立つキーテクノロジー」と捉えているNECは・・・続きを読む










