− 第2回 −
アクセンチュアが考えるRFIDの現状と展望 (2006年2月13日公開)
経営コンサルティングやテクノロジー・サービスなどを提供するアクセンチュア株式会社は、ICタグおよびEPCシステム分野において先駆的な活動を展開してきた。EPCグローバルの一員として、アクセンチュア・テクノロジー・ラボを中心に過去8年間にわたり、この分野の研究開発と市場の拡大に取り組んできた。市場に精通し、将来の展望にも詳しい、同社の堀田徹哉氏と長部亨氏に話を聞いた。
市場はオープン型とクローズド型に分類される
アクセンチュア株式会社
通信・ハイテク本部
エクゼクティブ・パートナー
堀田徹哉氏
アクセンチュアのRFIDにおける取り組みは、EPCグローバルの前身となるオートIDセンターが設立された1999年ごろに始まる。RFID市場の創造を目標に、早い段階からビジネスとしてのROI(投資対効果)の算出などに取り組んできた。同社の通信・ハイテク本部エクゼクティブ・パートナーの堀田徹哉氏は、そのころより海外および日本のRFID市場の動向を目の当たりにしている。マネジャーの長部亨氏は、2003年以降の実証実験から現段階のインプリのフェーズまでを、つぶさに見つめてきた。
ここでは、両者の知見をもとにRFID市場の現状と将来について意見を伺った。まず、長部氏によるとRFIDの現状は大きく2つに分類できる。1つはウォールマートに代表されるサプライチェーンでの利用だ。企業横断的なRFIDの利用という性質から、これをオープン型と定義している。そして、もう1つは個々の企業に閉じたクローズド型でのRFID利用である。その実態を比べた場合、実用化の面ではクローズド型の方が進んでいるというのが現状だ。その理由として、オープン型ではタグコストが高い状況でその負担を企業間でいかに分担するかのスキームが定まっていないのに対して、クローズド型ではその点をROIなど企業判断により決断できることが大きい。実際、実現の機会も多く見られる結果となっている。アクセンチュアでもタバコ工場の生産工程管理などでRFIDの実証実験を進めている。また、NECパーソナルプロダクツでもPCの生産工程管理にRFIDを活用し、その内容を紹介している。(「RFIDを活用したリアルタイムマネジメントにより生産リードタイムを半減」 )
「日本の場合はクローズド型が主体になっていますが、一方のオープン型に見られるタグコストの課題については、ニワトリと卵の関係のごとく大量にタグが消費される環境を整備することが普及の大きな鍵を握ります」(長部氏)
アクセンチュア株式会社
マネジャー
長部亨氏
また、今後の動向についてはRFIDをバーコードの代替としてではなく、各種のセンサーとの組み合わせにより新たな付加価値を生むツールとして利用すべきだと、長部氏は指摘する。
この長部氏の発言を補足するように、堀田氏はアクセンチュアのコンセプトの1つ「リアリティ・オンライン」について説明した。その意図するところは、実在する世界をネットワークのオンライン上で捕捉しデータ化することで、新たなビジネスの創出を図るというものである。
「我々は、RFIDもこのリアリティ・オンラインの一部と考えています。RFIDをサプライチェーン用途と決めつけるのではなく、無線のテクノロジーとしてとらえることにより、利用価値は格段に広がるでしょう」(堀田氏)
実は、リアリティ・オンラインとはオープン型とクローズド型に分類される現状のRFID市場の発展形として見えてくる領域を捕捉するための概念である。
そこで、まずはアクセンチュアが主導する先進事例として、RFIDによる米国医薬品業界コンソーシアムの活動、そしてリアリティ・オンラインの一例として米国のカリフォルニア州にある高級ワインの産地ナパバレーのワイナリーでの取り組みについて見ていくことにする。

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