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宇宙開発のプロジェクトから学ぶ課題解決のヒント

− 第8回 −

帰還直前、イオンエンジン沈黙。用意されていた打開策(2010年11月15日公開)

執筆:ノンフィクション・ライター 松浦 晋也(まつうら しんや)プロフィール

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松浦 晋也氏

 通信が復活したはやぶさは、満身創痍の体を引きずるかのようにして、地球への帰還を開始した。帰還の鍵を握っているのはイオンエンジンだった。イオンエンジンが所定の加速を達成できなければ、地球に帰ってくることはできない。しかし、長期間の航行でイオンエンジンの劣化は確実に進んでいた。

 2009年11月、ついに絶体絶命の事態が起きた。4基のイオンエンジンのうち、Dが機能を停止。残るエンジンでは予定通りの帰還に必要な推力を発生できなくなったのだ。そのとき、驚くべき秘策が繰り出された。2基のエンジンの健全な部分を使用して、「2基で1基」の運転を実現したのである。復活したはやぶさは、2010年6月13日、地球への帰還に成功した。

 エンジン「ニコイチ」運転のための回路は、打ち上げ前から組み付けてあった。本来は別の用途のための回路だったが、イオンエンジン担当者にとってニコイチ運転に使えることは自明だった。不測の事態に備え、できることはすべてやっておくという態度が、土壇場ではやぶさを救った。 (→全文(続き)を読む


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