第1回
成果主義で企業は生き残る―年功序列の崩壊―
成果主義が日本の産業界に導入されてから、だいぶ時間が経過した。本来ならば、その制度がしっかりと定着してもよいころである。しかし、現状をみると成果主義が導入された企業で必ずしも円滑に運用されているとはいえない。
成果主義を導入すると、成果を出していない従業員には以前に比べて低い賃金が払われることになる。それと同時に、成果を出している者にはそれなりの賃金を支払うのは当たり前のことである。しかし、実際には労働分配率(企業がもたらす付加価値額に占める人件費の割合)を下げる目的で成果主義を導入した企業が多い。ここ数年の成果主義をめぐる状況をみると、人件費をしっかりと抑えることはできたが、それ以上に付加価値額が下がってしまった企業の名前を挙げることは簡単なことである。
日本に本格的に導入されて10年以上も経過しながら多くの企業でうまくいっていないのを、成果主義そのものに不備があると、非難しているケースが多々見られる。
成果主義にたいする批判を書き出すと以下のようなものがある。
1. 社員が長期的展望に欠ける行動をとる。
2. 社員の連帯感が薄れてきた。
3. 成果を正確に計るのが難しいので不満がでやすい。
4. 目標を低めに設定して達成度を高くみせる社員がいる。
5. 自己中心的な行動をとりがちだ。
6. 結果がでやすい仕事ばかりにとびつく。
7. 目標の設定が抽象的である。
残念ながら、いままでこういった多くの議論が本質からはなれたところでされてきた。
これからもそういった議論をすすめていってもなんの解決にもならない。
今回から始まるシリーズでは、「成果主義」が導入されるようになった背景や「成果主義」とは何か、またその狙っていることは何か、「成果主義」を成果のあがるものにするにはどうしたらよいかを解説していきます。
(2005年6月20日公開)











