第25回
田口利八のトラック長距離輸送事業物語
〜2つのS(スピード、サービス)を上げよ〜
西濃運輸株式会社 創業者 田口 利八氏

「福太郎、金はあるか。俺は将来に備えて土地を買おうと思っている。それも将来直営店を設ける場所だ」
1948(昭和23)年のある日、大柄で坊主頭の西濃運輸社長、田口利八は、経理担当の取締役で実弟の福太郎を呼んでこう尋ねた。
「それは無理。インフレで物価は上がる一方だし、新しいトラックを買うだけで精一杯ですよ」
「しかし、土地がこんなにも安いのは今だけだ。今に土地は高騰する。土地を買って直営店を設けておけば、将来どんなに役立つか考えてみたことがあるか。二等、三等の土地はいらない。銀行が店を構えるような一等地だけを狙え。それがうちの会社の信用になり、ひいては荷主さんへのサービスともなる」
西濃運輸が他社に先駆けてすべて自前での長距離輸送への道を走り始めた瞬間だった。
(2003年5月12日公開)











