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先達に学ぶ決断の時

第24回

豊田喜一郎の自動車製造物語
〜ジャスト・イン・タイムの源流〜
トヨタ自動車工業株式会社 元社長 豊田喜一郎 氏

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「で、どんな自動車を作るんだ? ダットクラスの小型乗用車か、トラックか?」義弟で、豊田自動織機の社長に就任した豊田利三郎の問いに、常務として開発を担当していた豊田喜一郎は即座にこう答えた。

「大衆車だ」

「そうだな。ダットのような小型乗用車から始めるのがよいだろう」

自動車製造への参入に乗り気でなかった利三郎は、この程度なら失敗しても傷は浅いと考え頷いたが、喜一郎の次の言葉を聞き、あっけにとられた。

「いやちがう。シボレーやフォードのような3000ccクラスの大衆車でいく」

1931(昭和6)年、これまでオートバイはおろかオート三輪のような小型車すら製造したことのないメーカーが、シボレーやフォードと直接ぶつかるポジションで打って出ようというのだ。しかし事前に入念な調査をしていた喜一郎は、満州事変以後、日米関係がますます悪化、フォードやGMの日本での活動がいずれ制限されるにちがいなく、そうすれば国産の3000ccクラスが求められると考えた。トヨタ車、かんばん方式の源流はここに始まったのだ。

(2003年4月21日公開)

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