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先達に学ぶ決断の時

第6回

小林一三の宝塚歌劇団創設記
〜大衆社会の到来を見通したビジネスコンセプト〜
阪急電鉄株式会社 元会長 小林 一三 氏

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小林一三といえば、あの宝塚少女歌劇団を創設したことで有名だ。
タカラヅカは彼の数々の成功例のひとつにすぎない。他にも数多くの業績を残している。

現在の阪急電鉄の基礎を築き、東宝を創設し、夏の甲子園高校野球大会の創設にも尽力した。1940年(昭和15年)には商工大臣にも就任し、日本の産業育成にも貢献している。小林がこのように様々な事業を次から次へと起こしていけたのは、彼が稀に見るアイデアマンであったからだ。そしてそのアイデアも突拍子のないものではなく、あるコンセプトに裏打ちされたものであった。

小林が事業を手がけ始めた頃、つまり明治から大正にかけて日本でも新しい大衆社会が育とうとしていた。小林はそれを鋭く感じ取り、大衆社会の新しいライフスタイルを描いて見せた。私鉄沿線の分譲住宅に住み、週末には家族でターミナル駅のデパートでショッピング、劇場で映画や演劇を楽しむ、現在では当たり前の光景は、小林のアイデアに依るところが大きい。数々のアイデアを事業に結びつけた小林ではあったが、最初からアイデアが次々とヒットしたわけではなかった…。

(2002年6月26日公開)

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