なぜ企業はCSRに取り組むのか 〜多様化するCSRと本業の関係
第1回
CSRから生まれたサラヤの新しいビジネス(2012年1月10日公開)
CSRは日本語では「企業の社会的責任」と訳される。では、企業が果たすべき社会的責任とは何か? その問いに答えることは簡単ではない。ある人は、「社会の公器として、ルールに従った経済活動を行うこと」と答えるかもしれないが、それではコンプライアンスとの違いがわからない。ある人は、「商品の売上の一部をNGOなどに寄付すること」と答えるかもしれない。しかしそれはチャリティと同義ではないのか。「消費者が抱える問題を解決するような商品やサービスを提供すること」という答えもありえるだろう。では、それは「優れた商品」を開発することと何が異なるのか。またある人は、「企業のイメージを向上させる活動」と言うかもしれないが、私たちはこれまで、それをブランディングと呼んでこなかっただろうか。あるいはごくシンプルに、「社会貢献」と言う人もいるだろう。しかし、社会に何らかの形で貢献するという視点を含まない企業活動が果たしてありうるのか──。
現在のCSRはこのように多様であり、特定の形を定めがたい活動である。100の企業があれば、100のCSRがあるとすら言えるかもしれない。しかし、あえて大別するのなら、すべてのCSRは以下の2つのいずれかということになりはしないか。すなわち、「強い必然性のあるCSR」と、それ以外のCSRということに。
社会や地球環境にとっての必然性ではなく、ある特定の企業の活動にとって必然性のあるCSR。その企業だからこそやる意味があり、その意味を誰もが納得できる形で説明でき、かつそれが継続的に実行される可能性のあるCSR。それが前者のCSRだとすれば、後者は、CSRと巷間呼ばれている活動の中から任意の活動を選び出し、「とりあえず」やってみるというタイプのCSRである。
この連載が目指すのは、前者のCSR、すなわち「必然性のあるCSR」の実例に当たりながら、CSRと企業活動との関係のあり方を探っていくことである。 (→全文(続き)を読む)








