− 第4回 −
選挙もネットマーケティングの時代
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【2008年10月20日(月) 17時締め切り】
今、米国は大統領選挙運動の真っ最中である。
前回の記事でお伝えしたように、テレビをはじめとする各メディアで、オバマやマケイン、そしてヒラリーを含めた既に敗退した候補者を見聞きしない日はない。
民主党指名候補者争いのヒラリーvsオバマに明け暮れた今年前半は、その報道もあまりに加熱したおかげで、この二人の争いがそのまま大統領の椅子を争うものだと勘違いしていた方も多いのではないだろうか。
そして他のあらゆる分野同様に、選挙活動もさまざまな面でIT技術の影響を受けている。
選挙運動真っ盛りの大統領選挙を中心に、選挙におけるITとの関わりを覗いていきたいと思う。
今日は渋滞のマンハッタン内、車は一寸刻みにしか進まない。そして運転手は何時にもましてその口調に熱がこもる。
目的地までにはもう少し時間がかかりそうだ。じっくり彼の話を聞いてみよう。
選挙もネットマーケティングの時代
選挙でのIT活用と言えば、まず思い起こされるのは、候補者や政党からのインターネットを介してのPRであろう。
今は大統領選選挙まっただ中であるが、共和党/民主党という二大政党はもとより(1)どのような候補者であっても今や公式のwebサイトを持っていないなどと言うことはなく 、複数のサイトを運営する候補者も珍しくはない(2)。
政党及び候補者の公式サイト
そして現在、選挙におけるIT技術の意味とは、「ネットマーケティング」に他ならない。
前回の記事で「ただしインターネット上への広告宣伝活動は、その効果や伝達測定が容易なこともあり、費用対効果の面も含め今後大きく飛躍する可能性は高い。」と述べた。
まさにその通り。各政党や候補者達は、今やあらゆる局面において、自身への支持を集めるための有効なツールとしてIT技術を活用している。
これらは民間企業におけるCRMアプリケーションソフトウェアと、その成り立ちも使用目的も何ら変わることが無く、この点では選挙と候補者/支持政党は、まさにIT企業にとっては大得意先と言えるだろう(3)。
web2.0と呼ばれる一連の技術革新は、非常にきめ細かい情報収集とそのデータベース化、そして分析や抽出などに優れその恩恵は計り知れないものがある。これら技術を有効利用することで、自身の発した言葉に対しての社会の反応や、非難や同意や疑問点などを容易に入手することが出来る点などは、往来手法との最も大きな相違点であろう。
例えば、資金集めは選挙において最も重要な業務(4)であるのだが、個人から政治献金を受ける場合(5)、これまでであれば献金してくれる人々へのアプローチや彼らへのフォローなど困難が多かった。しかしネットを利用しての呼びかけであれば、コストも時間も節約でき、また各個人への返礼も容易である。
しかも、ネットでの応募であれば各個人の詳細な情報をそのままデータベース化出来る。これは往来のように個人小切手を郵送で送ってもらうやり方では実現不可能な作業である。
そして現在では、献金をしてくれた支持者が、他にどのようなサイトを閲覧し、どんな嗜好を持っているのか。お気に入りのキーワードは何で、他の候補者との比較はどうかなど、web2.0技術ならではの細かいマーケティングが可能となっている。IT技術ならではのきめ細かいマーケティングツールとしてのメリットを十分に享受していると言えるだろう。
例えばオバマ候補は献金者の携帯電話への一斉メッセージ等のこれら最新のIT技術を利用しての新手法を駆使して選挙運動を繰り広げている(6)。各自治体及び省庁のIT化や、ネット経由でのサービスも充実する中、このような新手法を使うことで時代への対応や先進性をアッピールするという意味合いまでも含めて、彼のイメージアップに功を奏していることは言うまでもない。
そして選挙戦でIT技術/インターネットの普及にともない、演説や公開討論会へのブロガーの出席が当たり前になってきたことも近年の特徴だ(7)。著名なブロガー等を演説の会場などに招待するのは、その分野でのリーダー達に候補者を理解してもらい好印象を持ってもらおうとするためで、ネットがそれだけ重要な媒体となってきたことの現れであろう。
(1)共和党は1990年代には既に大規模な導入を始めていたという。
(2) 大統領選挙に名前が挙げられている各候補者のサイトは、一様に米国国旗に似た色合いのデザインを持っているのはご愛敬だ。
(3)特に選挙運動中は始終サイトがアップデートされ続けられるので、製作会社にとっても素晴らしい顧客である。
(4)ほとんど全ての政党と政治家。候補者のwebサイトでは、まずトップページに献金のためのクリックが用意されている。
(5)草の根の選挙運動はかつては非常に重要視され実際に多くの時間と労力/経費が割かれていたが、現在ではIT技術の恩恵で、その重要度は変わらないもののかつてに比べ飛躍的に作業の効率化が実現したという。
(6)投票所前で、携帯電話向けに候補者名のテキストメッセージを、不特定多数に無理矢理送りつけるなどと言う手法がも出現し、問題を引き起こしている。
(7)例えば女性タレントのファンが運営するサイトが人気だとしても、そのタレントが出演する映画のオープニングショーにそのサイト運営者が招待されるなどと言ったケースは希有なことは分かるだろう。これはスポーツや学術分野でも同様である。











