− 第2回 −
プロスポーツ界とIT
その他のスポーツ
もちろん他のスポーツ界でもITの導入は著しい。
ざっと思いつくだけでも、
・サッカー=ICチップを内蔵したボールを使用することで、ボールがラインを出たかどうかの判定を可能とする。更にはボールの動きと共に各選手の運動解析にも寄与。
・ゴルフ=スイング解析や屋内施設でのシミュレーション等様々な場面でIT技術を採用済み。
・モータースポーツ=車体の設計〜エンジン制御からレース戦略の決定まで、ほぼ全面的にIT技術に依存。自前の衛星を所有するチームもあり、レース会場からチームの本拠地までを衛星によるリアルタイムでのデータリンクを確立し、データの処理はチームの本部で行うと言うことも日常的に行われている。
・ヨット=アメリカズカップなどでは、GPSによる航路確認や、気象データや海流や海水温など無数のデータを解析して戦略を決定する。
またほとんど全ての競技において、計時システムや大会の運営管理がIT化されているのは周知の事実である。また、大きな大会のメディアセンターに高速のインターネット回線が準備されているのは今や当たり前だ。
更にはあまりITに関係がなさそうな競技、例えば水泳界などでも、先日日本国内でも大騒ぎになったようにその水着の流体解析等にIT関連技術は多用されているという。このようにスポーツとITは切っても切れない密接な関係を構築しているのである。
その一方でスポーツ本来の魅力を失わないようにするための配慮はどの競技も行き届いている。選手とコーチらとの無線通信による会話やデータのやりとりはほとんどの競技で禁止されているし、競技によってはIT機器類や携帯端末の持ち込みすら禁止されていることもある。(11)
MLBではどんなことがあっても審判の裁定が絶対であり、電子機器による判定やビデオ判定に一切背を向けているのは最初に述べたとおりである。
そして、残念ながら、IT技術は不正行為にも寄与していると言われている。各競技においてデータ解析が進んだことにより、よりきめ細かな、そしてより参加者にとって公平感が強く、射幸心を煽る形での賭博行為が現実となったためであり、そしてそれがインターネットを経由することでより参加が容易になったこと等が指摘されている(12)。
このような状況から、いくつかのスポーツでは観客でさえ会場内へのPCの持ち込み禁止の措置が取られているし、多くの競技団体は、各競技においての賭博業者の掛け率のチェックと、当該の試合結果とを綿密に比較検討し、選手側の不正行為などがないように厳しく目を光らせている。
イエローキャブはようやくマンハッタンに帰り着く。
マディソン・スクエア・ガーデン前。NBAのニューヨーク・ニックス、NHLのニューヨーク・レンジャース、NLLのニューヨーク・タイタンズのホーム。
市内中心地にあるマディソン・スクエア・ガーデン前だ。ここを会場として行われるNBAもつい数年前にようやく大手IT企業との提携を果たした(13)。今やスポーツ界はIT業界の上得意先でもある。
まだまだこれからいくつもの変遷期を迎えることとなるのだろう。
今回も記事をお読みいただいた方々へささやかなプレゼントをご用意いたしました。2007年の全米オープンで使用された公認球で、実際に大会で使用された物です。
フェデラーやシャラポワ達が使用した物と同じもので、言うまでもなく非売品です。読者の方々の中にテニスファンがいらっしゃるかどうか分かりませんが、是非本場の空気を感じ取って欲しいと思います。
ご感想をお寄せいただいた方の中から、5名様にプレゼントします。ふるってご応募ください。
※「全米オープンの公認球(大会で使用したもの)」のプレゼントは2008年8月25日(月)17:00をもって締め切りました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
執筆者の田中秀憲氏のブログです。ぜひご覧ください!
Wisdomブログ「ニューヨーク雑記帖」
(2008年8月18日公開)
(11) テニスではチェンジコートの時、MP3プレーヤーで音楽を聴くことすら禁止されている。
(12) 例えば、「A球団は、○月○日の試合で、B球団に対して○点以上の点差で勝利する方に、倍率○.○倍で賭ける」と言ったような、きめ細かい賭けが可能となった。
(13) 2006年10月に大手IT企業との提携を果たした。メジャースポーツでは最も後発の部類に入る。











