− 第2回 −
プロスポーツ界とIT
NFL
米国の四大メジャースポーツでもあるアメリカン・フットボール(NFL)は、最も早期に、そして高度にIT技術を導入している競技の一つである。
この競技では、およそ考えられること全てに先端技術の導入が成されており、選手の練習方法やその量、食事や栄養管理。チームや機構の運営と、年俸の均一性にまできめ細かなデータ化が大きく寄与しているという。
練習時には各選手の動きをGPSで追いながら、「この選手は最初の100メートルまではこのスピードで走れるが、その後は○○%スピードが落ちる。そして同じプレーを○回以上行うとそれ以降は速度の低下が安定する。その為この場面でのプレーには、距離は彼の許容範囲以下なので十分対応が可能」などといった判断が行われるわけだ。
またこのように高度なデータ処理への取り組みを早期から行ってきたことで、その競技のルールや戦略が非常に複雑であるにも関わらずかなり高度なゲームソフトが早くからPC用ゲーム市場に提供されてきたと言われている(10)。
ところが、NFLの場合、そのデータ解析が進んだことで意外な弊害も出ているという。その際たるものはゴールポスト前での所謂「ギャンブルプレー」だと聞いた。
「ギャンブルプレー」とは、まさしく得点のための一か八かのプレーを指し、かつては接戦の決め手となることから、特に監督の力量を問われる意味でNFLの醍醐味の一つだった。
しかし、各プレーヤーの個別データや、プレーの成功率の解析が高度に進んだ現在では、ギャンブルはやはりギャンブルとしての結論しか出てこないことから、その種のプレーが選択されることが少なくなったというわけだ。
監督や選手の直感など、奇跡のプレーを生んできた作戦が採択されないことで、試合が単調になり、見所が減ったと嘆くファンは多いという。
ニューヨークジェッツのオフィシャルHP
(10) プレイメーカー社のプレイメーカー・フットボール(1989年リリース)等が有名。これらゲームソフトの充実には、チーム用のデータ処理を請け負った開発会社が、そのノウハウをゲーム用に転じたためであるともと言われている。











