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ニューヨークITトレンド

− 第6回 −

米国携帯電話各社の行く末は?

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テストマーケティングは米国国内で

 米国内も地域や人種によって、結構な格差が存在する。ニューヨークやロサンゼルスのような大都会と、中西部の工業地帯や農業地域とではありとあらゆる面に違いがあるのは言うまでもなく、当然携帯電話に求められるものにも大きく差が出てきていることだろう。

 つまり、各携帯電話企業は、将来のアジアへの本格的な市場争いの前に、自国内でその戦いに備えてのテストを繰り返し行っているのではないかと見られるのだ。このように考えれば、出資した先が常軌を逸した経営を続け、その結果破綻させようとも出資者が意に介さないことや、米国内で撤退したディズニーが日本で再度同じことを繰り返そうとしていること、そして各キャリアが自ブランドを含め様々な形でプリペイド事業やMVNO事業に関わっていることなどの説明がつくのである。

 また移民大国アメリカならではだが、自国へ連絡を取ることの多い(必然的に国際電話となる)彼らは、国際電話の料金やその品質などに対する要求度が高く、厳しい目で評価を下す。事実、ニューヨーク市内のプリペイド/MVNO携帯電話の販売店網は中南米や中国などからの移民の人々が経営しているケースが多い。また、コリアンタウン(注2)やチャイナタウンでは、他エリアではあまり見かけないHelioの代理店が比較的多い。このような現状は、各携帯電話企業が大なり小なりそのような市場を重要視していることの表れであろうと思う。

 様々な国から来た様々な人々が、様々な生活を行う米国では、収入格差や宗教、文化背景が違っている人々が多く住むことから、同様の条件を併せ持つ将来の市場に向けての仮想マーケティングとも言える作業が自国内で可能なのである。このことは何も携帯電話に限らず、他の多くの産業で日常的に行われていることであり、携帯電話事業者たちもようやく解放前夜となったアジア諸国への進出の際のビジネス戦略選定の段階になって、この方法を利用し始めたということだろう。これがいくつかの企業の所作がとんちんかんなように見えることの理由なのではないかと想像している。


(注2)韓国人街。ニューヨークではマンハッタンの32丁目を中心として広がる。


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