− 第6回 −
米国携帯電話各社の行く末は?
米国の事情はアジアの事情!?
現在では自国内の市場だけではなく、海外市場も視野に入れねばならないことから、従来とは違ったビジネス戦略をとっている企業が多いのが特徴である。現在、米国内で携帯電話キャリア大手といえるのはVerizon WirelessやAT&T、T-Mobile等数社だが、その他に無数のMVNOとプリペイド業者が乱立している。そしてそれぞれが独自のビジネス展開を図っているのが特徴だ。
例えばAlltelはディープサウスと呼ばれる東南部を中心としたキャリア会社であるが、筆者の住むニューヨークではつい最近まで販売店を見かけることはなく、入手することは困難だった。もちろん広告宣伝の類も全く見かけない。ほとんどの携帯電話会社が、自社エリア外でも他社との提携によってサービスを行っていることを考えると、これはいささか不思議な話である。ソフトバンクが関西だけで営業をし、イーモバイルが北海道限定でのビジネスを行う、というように日本に置き換えて考えるとその異様さがよくわかるだろう。
また、2007年半ばで破綻したMVNOのAmp'd Mobileは、その放漫とも言える経営が常々話題となっていたにもかかわらず、しかしその出資者達はその所作をまるで気にしていないかのような静観振りで、結局同社が400億円ほどの資金を使い果たすのを見守っていただけだ。
たしかに現在のユーザーが全世界で30億人弱ほどもいる携帯電話市場の中で、人口的に見て米国市場が依然魅力的な市場であることは言うまでもなく、先に述べたようにハードウェアの未発達とその将来の普及を考えると、現在のユーザーでさえ将来の新規消費者としてカウントできるのであるから、各携帯電話事業者がその魅力に知らぬ顔をすることが出来るわけはない。
しかし、それにしてもいささか理解に苦しむ戦略を採る事業者が多いのはなぜだろう。どうも、先のAmp'd Mobileの例に限らず米国の携帯電話事業者は、既に米国内ではなく他の地域でのビジネスを念頭に置いているかのような所作が端々に見て取れるのである。だからこそ自国内での不明瞭とも言える経営が了承され、資金が投入されてきたのではないかと筆者は見ている。










