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ニューヨークITトレンド

− 第2回 −

新世紀のニュービジネスは、対象層限定がトレンドとなるのか?

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21世紀のニュービジネスのあり方を探る

 知人やコネクションが多い(であろう)ウォールストリートからの資金導入と、それを手助けしてくれた彼らの直接的なメリットとなるようなビジネスモデルの選択。SpotScoutはビジネスエリアとしてまさにそこを選び、他の地域は事実上切り捨てる。一般に向けたビジネスモデルのようにも見えるが、詳細な点をチェックすると市場の拡大とはいささか相容れない部分も多く、場合によっては利用者の限定につながりかねない面も見受けられる。

 極論すれば、SpotScoutが、限定された特定のメンバーにだけしかサービスを行わないような制限〜例えば使用できる機器の制限や、会員資格の厳格化など〜を行っても、実際には同社の経営にはあまり影響がないことも考えられる。もしくは同社のサービスが将来的には、ある種の会員組織のための付帯サービスのような形を取るということも考えられる。(注4)そのような場合「○○通りの角の路上駐車スペース」が同社の会員だけが停めることが出来るなどという事態もあり得るわけで、法的見地や道徳面での問題は生じるものの、特定層からの人気を勝ち得る可能性もあるだろう。SpotScoutが他のベンチャーのようには事業拡大を目指していないように見えるのは、そのような理由だったと聞かされたとしても、筆者は決して驚かないだろう。

 ネットビジネスの美点の一つとして、その間口の広さが挙げられることは多い。「世界中からアクセスできる」ためどこにお客がいてもそれは商圏内だという考え方だ。しかし今後はこのSpotScoutの様に、IT技術を利用しながらも決して高度で先進的なものではなく、すでに技術が確立されたものだけに限って利用し、安定したサービスの提供を重視する。またその商圏も顧客の対象も非常に限定的なものとする、というようなビジネスが増えてくる可能性は決して低くはないだろう。次回は「制限」と「無制限」を巧く使い分け、さらには過去の失敗事例から成功を引き出している好例をご紹介したいと思う。


注4)マンハッタン内で路上駐車が可能なエリアでは常に同じ車を近辺で見かけることが多い。特に近隣の住民や送迎用のリムジンの運転手等は相互に手助けしあってお互いがスムーズに駐車出来るように、知り合いの間だけで連絡を取っているケースも多く、一般のドライバーとの口論を見かけることも多い。

(2007年8月27日公開)


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