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汗と涙と“ネットワーク”どこで差がつく成長曲線

VOL .5

ネットワークの活用でビジネスリスクを最小化

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 自社のビジネスの発展のために、ネットワークやITをいかに活用するか。今回、注目したのは、そうした取り組みをリードする存在である情報システム部門です。現在、企業にはどんな課題が突きつけられ、その解決にネットワークがどのように利用できるのかを見ていきましょう。

ボックスホビー 株式会社

株式会社 スタートイ

Scene1「災害対策」

ボックスホビー 株式会社

 コミュニケーション環境の統合により、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」最適な方法による対話を実現、拠点間を結ぶ広帯域なネットワークによって情報の共有や活用の幅を拡大するなど、様々なネットワーク、そしてITをビジネスに役立てているボックスホビー社(VOL.1〜4参照)。こうした取り組みにおいて、採用ソリューションの選定やシステムの構築など、中心的な役割を果たしてきたのが、情報システム部門です。

 しかし、そんなボックスホビー社の情報システム部門にも新たな悩みが浮上しました。社内の重要な情報がネットワークを通過し、その処理をITシステムが担うようになった今日、「システムが止まってしまったら、ビジネスが継続できない…」というリスクが急激に高まりつつあったのです。

 そこで、同社の情報システム部門では「ディザスタリカバリ」に取り組むことを決めました。ディザスタリカバリとは地震や火事などの災害に備え、システムの被害を最小化するための取り組みのこと。いろいろな方法がありますが、同社では遠隔地のデータセンターを活用して、メインシステムの重要なデータをバックアップしておくことにしました。これなら災害で、ビジネスの継続に不可欠なデータが破損するなどしても情報が失われることはなく、さらにはバックアップデータを使って、すぐにビジネスを再開できるようになります。

 しかし、そのためには、膨大なメインシステムの情報を、定期的にデータセンターに送らなければなりません。そう、この取り組みの成否は、大量のデータを確実に送ることができるネットワークが握っているのです。

 そのため、同社では、各拠点間を結んでいる全社ネットワークをデータセンターにも接続。さらには、河本氏の発案により、この部分の回線については、帯域を増強するだけでなく、二重化したため、ネットワークに不具合が起きた場合の対策も万全です。

 これで、ボックスホビー社は、災害によってメインシステムに格納されたデータが失われても大丈夫。災害時にも、それがビジネスに与える損害を最小限に食い止めることができます。

株式会社 スタートイ

 ネットワークやITの活用に先進的なボックスホビー社に対し、そうしたインフラ整備にまったく無頓着なスタートイ社。それが原因となり、『インスタント・マッスル・ヨーヨー』というヒット商品を発売したのに、その販売機会を逃してしまっていることは、すでに述べました(VOL.1〜4参照)。

 しかし、中にはそんな状況に危機感を持っている社員もいます。その1人が木杉氏です。もともと、他社の情報システム部門に在席し、一般的な企業のIT化の水準を知っている木杉氏は、現状が不安でたまらないようです。また、それに対して、何の疑問すら持たない同僚達に半ばあきれ気味です。

 今回、木杉氏が指摘した重要な書類がすべて紙で保存されている件も、木杉氏の言うとおり、万一火災などで焼失してしまったら、取り返しがつきません。おそらく、同社のビジネスは、しばらく停止してしまうでしょう。また、毎月の保存にかかる倉庫代も経営を徐々に圧迫しつつあります。

 このままでは、スタートイ社はどうなってしまうのでしょうか。もしかしたら木杉氏は、同社にとって、最後の救いなのかもしれません。誰か、話を聞いてあげてください!

Scene1「災害対策」

Scene2「セキュリティ対策」

ボックスホビー 株式会社

 今、情報システム部門に求められる取り組みの1つに「セキュリティ対策」があります。

 様々な情報漏えい事件の報道からも分かるとおり、企業のシステムやネットワーク上には、様々な情報が存在しており、それらは非常に高い「価値」を持っています。そのため、情報の盗難や不正な取り引きが相次いでいるのです。

 例えば、こうした情報の1つに顧客の氏名や連絡先などの個人情報があります。これらが漏えいしてしまった場合、企業は社会からの信頼を失い、大きなダメージを負ってしまいます。

 そのため、ボックスホビー社でも、従来から様々な取り組みを実施してきました。特にネットワークに関する取り組みを紹介すると、まず、「どこ」に「どんな風に」ネットワークが接続されているのかの「見える化」。そもそも、自社のネットワークの形を理解しておかないと、どんな対策を施せばよいかも分からないからです。その上で、通信を暗号化し、第三者による盗聴を防止。もちろん、専用ソフトウェアなどによるウイルスやスパイウェアなどへの対策も怠りはありません。

 そして、今回、同社が新たに取り組んだのが「シンクライアント」の導入です。シンクライアントとは、オフィスで使用するクライアントにはハードディスクを持たせず、アプリケーションや様々なデータをサーバに一元的に集約し、ネットワークを介して、それらを活用するシステムのこと。つまり、情報を一元的に格納・管理できるため、より強固なセキュリティ体制の構築が可能になるのです。一方で、このシステムには、ネットワークに十分な帯域と安定性が求められます。ネットワークがダウンしてしまったら、クライアントとサーバを接続することができず、業務そのものが行えなくなるからです。

 今回の取り組みは、すでに、こうしたネットワークを構築しているボックスホビー社ならではの取り組みともいえるでしょう。

株式会社 スタートイ

 ある調査によると、情報の漏えいの約半数は紙の書類からだといわれています。PCからプリント指示した書類が、複合機やプリンタの周りに散乱し、そこから漏えい。外出時にカバンを電車やタクシーに置き忘れるケースだけでなく、最初から盗難目的でオフィスから持ち出されるというケースもあります。

 こうした情報の漏えいを防ぐには、誰が、いつ、どの情報を扱ったかということを管理する「ログ管理」や役職や部署によって情報の扱える範囲を限定する「アクセスコントロール」などが有効ですが、そのためには、書類をデータ化することが必須となります。

 もちろん、全ての書類をデータ化すべきだとは言いません。紙で管理したり活用した方がよいケースもあるでしょう。でも、スタートイ社の現状は、ちょっと、ひどいとは思いませんか?

 今回、探している書類だって、もしかしたら誰かに盗まれたのかもしれませんし、こんな状態では、重要な個人情報の管理がどうなっているかは、簡単に想像がつきます。

 やはり、ここはネットワーク環境を整備し、データによる情報のやり取りの効率の良さに気がついて欲しいものです。これまでは、業務効率の低下やビジネス機会の損失など、あくまでも自社に関する問題でしたが、情報漏えいの危機ともなると、笑ってもいられないはずです。

Scene2「セキュリティ対策」

まとめ

 今日、企業は単に商品やサービスを提供すればよいだけの存在ではなくなっています。社会的な存在として、その責任が大きく問われるのです。ビジネスを止めない、情報を保護するといった取り組みは、その代表的なもの。そして、そのためにもネットワークの活用は、絶対に欠かせないのです。

(2007年1月15日公開)


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