VOL .1
経営層の意思決定を支えるネットワーク
社長をはじめとする経営層にとって最も重要なのが、自社の方針を判断する「意思決定」です。判断のタイミングや方向次第で、ビジネスの成否はどちらにも転びます。さて、この意思決定にネットワークはどのような影響を及ぼすのでしょうか。
社員同士のコミュニケーションを非常に重視し、ITの活用に積極的なボックスホビー社では、電話やFAX、携帯、eメールのほかにボイスメールやインスタントメッセージ、TV会議システムなど、様々なツールを活用しています。さらには、これらのツールの操作をPC上に統合。PCから電話をかけたり、電話の途中でTV電話に切り替えるなど、複数のツールも簡単に使いこなせる環境を整備しました。
こうした環境によって実現した機能のうち、とても便利なのが、社員の状況を確認する「プレゼンス確認」機能です。各コミュニケーションツールと連動し、従業員は特定の人物の「在席」「離席中」「会議中」などの状態を確認することができるのです。
広間社長の問いかけに応じ、秘書がPCで確認していたのがまさにこれ。このプレゼンス確認機能と豊富なコミュニケーションツールにより、「いつでも」「どこでも」「誰でも」最適な方法でコミュニケーションを行うことができます。もちろん経営層だけでなく、一般の従業員も普段の業務に活用しています。
博多営業所に向かった△△常務はテレビ会議システムを使って会議に参加。ボックスホビー社の会議には、時間や場所の制限はありません。
インターネット、社内LANなど、必要最低限のネットワークは導入しているものの、コミュニケーション環境の整備に対する意識は低いスタートイ社の星壁社長。
今回も緊急会議を開催したかったようですが、主要メンバーにうまく連絡が取れず、その開催を断念したようです。以前は、メンバーが欠けていても、会議開催を強行していたそうですが、そもそも会議とは、より正確な情報を握っている各部門の代表者などキーマンの存在が不可欠。よってスタートイ社の会議は不毛なままに終わることも多く、最近はスケジュールを調整し直し、数日後に開催されることが多いようです。
今回は何があったのかはわかりませんが、もしトラブルなら、大事にいたらなければいいのですが…。

経営層の意思決定に欠かせないのが、その材料となる「情報」です。ボックスホビー社では、常に最新の情報をもとに意思決定を行うため、ネットワークを活用し、各部門、各拠点から情報を吸い上げ、リアルタイムに集計する仕組みを構築しています。ごく小さな変化や情報に、ビジネス飛躍のヒントが隠れていることも少なくありません。今回、広間社長が発見した売り上げの変化も、数年来発売してきた商品の"ブレイクの予兆"ともいうべき情報です。
2日後に開催された会議では、幼稚園や保育所を中心に「おやすみラビット」の販売が伸びていることが確認されました。そこで、ボックスホビー社では、マーケティング戦略を個人向けから法人向けに転換することを決定。全国的に営業活動を展開することに決めたのです。
決定した方針は、即日、全社員が見ることができる自社ポータルサイトにアップ。全社員で決定事項を共有するだけでなく、各部門ごとに詳細な指示や目標も設定し、各従業員間の意識のズレをなくしています。
スタートイ社の各部門、各拠点からの販売データなどは、いまだに紙の文書で管理されており、それらの集計作業には、膨大な手間と時間がかかっています。そのため、スタートイ社の経営陣が意思決定に参考にしているのは、ほとんどが数カ月前の情報。現在のビジネス環境において、この数カ月は致命的なロスともなりかねません。実際、今回もせっかくのビジネスチャンスをみすみす逃してしまいそうです。
また、決定方針の伝達もスタートイ社ではeメールで配信しているため、画一的な情報しか送ることができず、例えば、大量仕入れによってコストを削減したい購買部門と在庫のだぶりを抑えたい生産部門の間に意識のズレが発生。経営層の意思が、細部にまで浸透しているとは言い難い状況です。
せっかくいいオモチャを開発しても、これでは……。

このように、ネットワークは経営層の迅速な意思決定を強力にサポートします。これまで以上にスピードが求められるようになった今日のビジネス環境において、こうした取り組みは必須といえるでしょう。
また、ボックスホビー社では、これ以外にも様々なネットワーク技術をビジネスに役立てています。次回は、ネットワークが営業部門にもたらした影響について見ていきましょう。
(2006年9月19日公開)

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