− 第6回 −
ネットワーク管理者の適切な対応が求められる内部統制システムの構築
業務プロセスを遂行する上でITの活用が不可欠な今日、企業のネットワークシステムに問題があるようでは、内部統制に必要な業務の適正性や信頼性を担保することができません。新会社法の施行や日本版SOX法(企業改革法)の法制化などを背景に企業では内部統制の整備が急務になっています。内部統制は経営者層の問題で、ネットワーク管理者にはあまり関係がないのではと考えている人がいるかもしれません。しかし、日本版SOX法の基準案ではIT対応を内部統制の基本的要素の1つにしています。そのことからもわかるように、内部統制の整備におけるネットワーク管理者の役割は非常に重要です。内部統制の整備を契機にネットワークシステムの問題点を洗い出し、必要に応じて再構築することなどが必要になります。
重要になる内部統制の整備とネットワーク対応
内部統制をめぐる動きが活発化しています。その1つが5月に施行された新会社法です。新会社法では、会社の業務の適正さを確保するための体制、いわゆる内部統制システムの構築の基本方針を決定することが義務付けられました。また、投資家保護を目的とした証券取引法などが改正され、「金融商品取引法」が先の国会で可決。財務報告にかかわる内部統制の強化等に関する制度整備(日本版SOX法)を、2008年4月1日以降に開始する事業年度から適用することが決定しました。これにより、企業経営者はもちろん、ネットワーク管理者も内部統制整備への対応が急務になっているのです。財務報告、つまり財務諸表の作成のみならず、企業の業務はIT抜きには考えられないからです。例えばメーカーの場合、生産に必要な部材の調達をはじめ、生産、販売、物流、在庫、会計などさまざまな管理システムを活用し、ネットワークを介してデータを集約しています。生産と販売、在庫の数値が一致することや、調達額と支払い額の一致など、これらシステムで扱われるデータの整合性がきちんと取れていなければ、適正な財務諸表が作成できません。
また、生産や販売など各部門のシステムを結ぶネットワーク管理が重要になり、確実に各部門のデータをやり取りできるネットワークの信頼性やセキュリティの確保が従来以上に管理者に求められます。本社、支社、営業拠点、工場、物流倉庫など自社のネットワークシステムのみならず、連結対象となる子会社を含めた運用管理が必要です。内部統制の整備とは、単に財務報告の信頼性を確保すればよいというものではありません。ネットワーク管理者にとって子会社を含めた業務プロセスやシステムを再点検し、業務の効率化や競争力の強化といった企業の目標を達成するため機会です。内部統制の整備は、ネットワークを再構築するチャンスでもあるのです。










