− 第5回 −
VPNの構築や保守・運用の負荷軽減に向けて進化するマネージド・インターネットVPN
インターネットなどのパブリックなネットワークをあたかも専用線(プライベートネットワーク)のように利用できる「インターネットVPN(Virtual Private Network)」が進化しています。低コストかつ広帯域の利点を生かしつつ、自営インターネットVPNの課題でもあったVPN機器の導入や保守・運用を一括して支援するマネージド・インターネットVPNと呼ばれる通信サービスや、VPN設定を自動化する高機能なVPN機器が相次いで登場。主要拠点はIP-VPNや広域イーサネットなどのWANサービス、多数のリモート拠点や取引先はマネージド・インターネットVPNを導入するというように柔軟かつ最適な企業ネットワーク構築をサポートしています。
リモート拠点のネットワーク構築で注目される新たなインターネットVPN
ビジネスのインフラとしてITの活用が不可欠になる一方、増大するトラフィックへの対応や肥大化する通信コストの削減に向け、本社・支社などの主要拠点のみならず、リモート拠点の小規模拠点を含めたネットワークの最適化に取り組む企業が増えています。例えば、トラフィックの多い主要拠点間は信頼性の高いIP-VPNや広域イーサネット、リモートの小規模拠点はコストパフォーマンスを重視してインターネットVPNを導入するなど、拠点の重要度やアプリケーションに応じて通信サービスを使い分けるケースも少なくありません。
インターネットVPNは、アクセス回線にADSLやFTTHなどのブロードバンドサービス、中継網にインターネットを活用することにより、低コストかつ広帯域の企業ネットワークを実現する手段として導入が進んできました。VPN通信で一般的なIPsecなどに対応するVPN機器を導入し、自営でインターネットVPNを構築するほか、VPN機器のレンタルや設定・保守などを支援する事業者のインターネットVPNサービスも各種提供されています。
各拠点にVPN機器を設置して自営のインターネットVPN網を構築する企業も少なくありません。ある企業では、各拠点のタイムリーな情報交換を実現するネットワーク基盤として、本社と各拠点をスター型で結ぶインターネットVPNを構築しています。しかし、ビジネス環境の変化に応じた拠点の新設や統廃合のたびにVPNの設定変更が必要になるといった運用管理の問題や、パブリックなインターネットを中継網に利用することによるセキュリティの不安などもあり、インターネットVPNの再検討が課題になっていました。
また、全国に多数の拠点を展開するある企業では、主要拠点はIP-VPNを導入しているものの、リモート拠点は通信コストの兼ね合いもあり、ISDNを用いて本社と基幹系データをやり取りしてきました。業務の効率化や競争力の強化が経営課題になる中、タイムリーな販売管理情報などに加え、本社とリモート拠点間で大容量の情報系データが頻繁にやり取りされるようになり、低コストかつ広帯域のネットワーク構築が求められていたといいます。
これらの企業がリモート拠点のネットワーク刷新の手段として導入したのが、通信事業者が提供する新たなインターネットVPNサービスとして注目される「マネージド・インターネットVPN」です。











