− 第4回 −
ブロードバンドネットワークが実現するビジュアルコミュニケーション
SIPやモバイル対応で広がるビジュアルコミュニケーションの可能性
テレビ会議システムの通信プロトコルとして、ISDNはH.320、IPネットワークはH.323が知られています。いずれもITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)で規定しており、標準に準拠する製品の場合、マルチベンター間の相互接続も可能です。このため、既存のビデオ端末を利用したり、他ベンダーのシステムを利用している取引先などと接続してビジュアルコミュニケーションを拡大することもできます。ただし、システム間の相性の問題や、機能が制約される場合もあるので事前の検証は必要です。標準プロトコルに準拠するタイプのほか、独自仕様のプロトコルを採用するタイプもあり、社内に閉じて利用するのか、社外とも相互接続するのかなど、用途に応じてシステムを選択するとよいでしょう。
また、SIPに対応するビデオ会議システムも登場しています。SIPサーバーでIP電話端末とビデオ端末の一元管理が行えるほか、IP電話のユーザーが音声でビデオ会議に参加するといった使い方が可能です。電話や音声会議システムとビデオ会議を連携するシステムやサービスもありますが、SIPをベースにすることで、各種アプリケーションとの連携が可能になるなどコミュニケーション手段が広がると期待されています。
SIPを用いてユーザーのプレゼンス(在席中、離席中などの状態)を通知することもできます。相手のプレゼンスを確認後、電話やビデオ、インスタントメッセージ、電子メールなど最適な手段でコミュニケーションすることにより、効率的かつ確実なコミュニケーションが可能になるのです。
プレゼンス管理とビデオ会議を連携するシステムも登場しています。これによりプロジェクトチームのメンバーが企画書を作成中、内容を相談するためにワープロソフトや表集計ソフトなどのアプリケーションからメンバーのプレゼンスを確認してビデオ会議を起動するといった操作が可能になります。また、グループウェアの画面でメンバーのスケジュールを参照し、ビデオ会議の開催日時をメンバーの予定表に書き込むこともでき、従来のように電話や電子メールでメンバーの都合を聞いてからビデオ会議の開催通知を出す手間が省けるなど、ビジュアルコミュニケーションを促進すると見込まれています。

ビジュアルコミュニケーション
ビジネス以外にも広がるビジュアルコミュニケーション
ビジュアルコミュニケーションは、会議やプレゼンテーションのほか、遠隔医療や遠隔教育、遠隔監視などにも広がっています。医療分野では、Web会議を利用して専門医が診療所の医師の診療を支援したりしています。教育分野では地域イントラネットやインターネットを介して、他校との遠隔授業や交流に役立てているケースが少なくありません。
遠隔監視では工場や店舗にWebカメラを設置して保安などに役立てる企業のほか、幼稚園にWebカメラを設置し、保護者が自宅のPCから子供の様子を確認できるようにする例もあります。さらに、3G携帯電話のテレビ電話規格に準拠し、監視映像などを配信できるシステムも開発されています。
IPネットワークとモバイルネットワークとの間でメディア変換を行うゲートウェイや、MPEG4対応のエンコーダー、マルチキャスト配信サーバーなどでシステムを構成。ランドセルなどに取り付けた無線ICタグと連動して子供の登下校を電子メールで保護者に通知するシステムもありますが、携帯のテレビ電話で設置されたWebカメラからの映像を確認することが可能になります。
このように安全対策のための監視映像のみならず、新製品情報などをビデオで社内に配信するといった用途にも利用できるなど、活用範囲がどんどん広がっているビジュアルコミュニケーション。専用の機器のみならず、PCやモバイルを活用したシステムも続々登場しており、今後も様々な分野で利用されていくことでしょう。
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