− 第3回 −
センサーネットワーク
幅広い用途で期待されるセンサーネットワークとRFID
安全対策・情報漏えい対策とRFID
食品の安全対策や企業の情報漏えい対策としても、RFIDは期待されています。商品や情報を管理する有効な手段として、注目されているのです。
センサーネットワークと同様に、RFIDは製造、物流、農業、医療、教育、エンターテインメント、セキュリティなど幅広い用途での活用が見込まれています。例えば、農作物のトレーサビリティでは、無線ICタグに記録された生産者名、生産場所、収穫日時、使用された肥料や農薬などの情報を消費者が入手することで、安心して購入することができます。さらに今後、センサーネットワークとRFIDを連携させることで、気象状況などの情報を付加したり、あるいは配送車の保冷用温度センサーと連動した温度管理など、生産や物流などの情報を販売者や消費者に提供することが可能になります。
すでに各地でトレーサビリティの実証実験が行なわれており、店内のリーダーで野菜などに貼付された無線ICタグの情報を参照できるスーパーマーケットも登場しています。また、スーパーの精算カウンターにリーダー/ライターを設置し、購入した商品の一括読み取りによる精算の効率化や、POSレジとの連動による商品の発注など、従来、人手で行なっていた業務を自動化することができます。このほか、店内のショッピングカートに無線ICタグを取り付け、消費者の動線を分析して商品を陳列するなどマーケティングにもRFIDを活用することが可能です。
スーパーマーケットを例にRFIDの活用法を紹介しましたが、これはほんの一例に過ぎず、工場での生産管理や、倉庫での入出荷や検品管理、医療機関での患者への投薬管理、教育現場での蔵書管理や登下校の安全対策など、さまざまな分野でRFIDが利用されています。
また、企業のセキュリティ対策としてRFIDを活用することもできます。企業が保有する個人情報や機密情報保護の強化に向けて、ネットワークレベルでのセキュリティに加え、重要な情報が記録された文書ファイルなどの管理にRFIDを活用するというものです。ICカード型の社員証を用い、重要書類が保管された部屋への入退室管理をはじめ、キャビネットや部屋の出入り口にリーダー/ライターを設置し、ファイルに無線ICタグを貼付してサーバーで管理することにより、いつ、誰に、どのファイルを貸し出し、返却されたかを管理できます。
貸し出したファイルが社内のどの場所にあるのかという位置情報を把握し、部外や社外への持ち出しを制限することで機密情報の漏えい防止も可能です。さらに、セキュリティ対策のみならず、リーダー/ライターでの一括読み取りでファイルや備品の棚卸など業務を効率化することもできます。今後、ビジネスや社会生活のさまざまなシーンでRFIDの活用が広がっていくことは間違いありません。

図2 RFID
センサーネットワークとRFIDの今後
このように今後、RFIDとセンサーネットワークが連携することでさまざまなことが可能になり、RFIDの適用範囲が広がると同時にセンサーネットワークの活用も進むことでしょう。
将来は、建築物の歪みや振動を検知して防災に役立てる、道路の交通量や積雪情報を得て迂回路を指示する、登下校時に自走式の警備ロボットを児童の近くに巡回させるなどということにも応用できそうです。
ただし、センサーネットワークで取得・利用する情報には、個人の行動に関する情報も含まれます。部外者に情報を盗まれないための情報管理の徹底、情報の利用範囲の明確化が必要とされているゆえんです。
セキュリティとプライバシーの問題がクリアされ、センサーネットワークがより有機的に結びつくことで、、真のユビキタスネットワーク社会が実現します今後より一層、センサーネットワークの仕組みや特性を理解しておく必要性が高まっていくといえるでしょう。センサーネットワークがいつも身近にあるのに誰も意識することはない、空気のようなあたりまえの存在になっていくのです。
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